水冷ユニットを搭載してみる
実測により、ハイエンド志向のサイドフロー型CPUクーラーも搭載できる事が分かった。一方で、トップパネルには大型ラジエターが搭載できる空きスペースがあり、これを使わない手はないだろう。そこでCPUクーラーにはオールインワン型水冷ユニットをチョイス。240mmサイズラジエターの
「MasterLiquid ML240L V2 ARGB」(型番:MLW-D24M-A18PA-R2)と、360mmサイズラジエターの
「MasterLiquid ML360L V2 ARGB」(型番:MLW-D36M-A18PA-R2)を用意し、それぞれ搭載テストを試みた。
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「MasterLiquid ML240L V2 ARGB」のラジエターはトップパネル中央付近にネジ留め。CPUソケットからの距離も近く、チューブもストレスなくレイアウトできる。リアファンの増設はシステム内の温度をモニタした後で検討してもいいだろう
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「MasterLiquid ML360L V2 ARGB」ハイエンド構成なら、冷却能力に余裕をもたせて360mmサイズラジエタータイプがオススメ。トップパネル部がやや窮屈に見えるが、前後方向に若干の遊びもあり、固定位置の微調整はできる
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グラフィックスカードを搭載してみる
最大410mmまでのグラフィックスカードが搭載できる、拡張カード有効スペース。フロントにラジエターを搭載しないケースでは、最大値を存分に占有することができる。とは言え、近頃のハイエンドGPUもVGAクーラーのショート化が進んでおり、多くのグラフィックスカードでは搭載後、前方への空きスペースが確保できるはずだ。
長さ268mmとやや控え目のグラフィックスカードを搭載したところ、カードの基板末端からフロントパネルまぜの空きスペースは、実測で約140mmだった。これはほぼ公称値内で、各々距離を保つゆったりとした状態で組み上げる事ができている。
総評:独自のイルミネーション効果とイマドキのベーシック
「ファインメッシュフロントパネル」と、アドレサブルRGBファンのハロ現象による光の演出は、輝度がほどよく抑えられ、なかなかよくできている。中間色のコントラストを際立たせない事で、グラデーションを自然に表現。その独特なイルミネーションは「MasterBox MB511 ARGB」最大のセールスポイントになっている。
内部構造は
イマドキのベーシックで、構成パーツ各々の距離もほどよく確保できている。とかくボトムカバー付きのPCケースは、完成後の様子が窮屈に見えがちだが、それを感じさせない。ちなみにリアファンがオプション扱いなのは、コストが前面に偏ってしまったためだろう。今回は終始追加せずに検証を行ったが、3基の120mmファンからのエアフローは思いの外強く、自然排気で問題がなければ無理に増設する事はない。
魅せるPCのイルミネーション機能は、すでに成熟期にある。いくらゲーマーと言えど、常時煌びやかに発光する必要性に疑問を抱くユーザーが増えつつあるのではないか。一方で「ファインメッシュフロントパネル」はちょっと方向を変えようとした、Cooler Masterの新たな試みは評価したい。
協力:Cooler Master Technology Inc.