まず、Core i7-13700をIntel定格で運用した時の電源回路の温度は、当然ながらまったく不安のない温度になっている。ただ、動作クロックは10分間テストが実行されるため、電力制御はPL1に移行する。そのため、Pコアクロックは1,396MHz、Eコアクロックは3,391MHzまでダウンしていた。
そして最高200Wを超えるCPU Package PowerとなるPL1 253W、PL2 4095Wと、Power Limit無制限となるPL1/PL2 4095W設定時は最高85℃に達したが、サーマルスロットリングによるCPUコアクロックのダウンは確認できなかった。また、テスト実行中の平均温度はPL1/PL2 4095W時は80℃台になったが、PL1 253W、PL2 4095W時は、余裕のある76.81℃を記録している。
寒波到来でさらに冷え込んでいた栃木県日光在住なのもあり、テスト時はエアコンを入れていても室温は13℃前後になっている。この点も結果に少なからず影響しているが、しっかりと電源回路周りにエアフローを確保していれば、「B760 DS3H DDR4 (rev. 1.0)」は、Core i7-13700との組み合わせも問題ないと言え、Non-K版Core i5なら、さらに余裕を残して運用することができるだろう。
続いては、各Power Limit設定で「CINEBENCH」系を実行して、パフォーマンスを確認しておこう。テストには「CINEBENCH R15」「CINEBENCH R20」「CINEBENCH R23」を使用している。
シングルコアのスコアはPower Limitに関係なく、CPU検証レビューの結果と遜色のないスコアが出ているが、マルチコアはPower Limit制御がPL1に移行するため、スコアダウンが見られる。とくに10分間テストが続く、「CINEBENCH R23」では65Wに制限されるため、スコアは無制限時の5割弱になっている。このスコアはCore i5-13400をPL1 65Wで運用した際と、ほぼ並んでいる。
主に行う作業次第だが、Core i7-13700はマルチコアのスコアも、CPU検証レビューの結果と比較して遜色なくなる「B760 DS3H DDR4 (rev. 1.0)」デフォルトPower Limit設定で運用するのが良いかもしれない。
テストセッション最後に消費電力を確認しておこう。アイドル時と、「CINEBENCH R23」実行時の最高消費電力に、大きな違いは出なかったが、Intel定格のPL1 65W移行時の消費電力は122.3Wまで低下していた。
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| Non-K版Core i7/i5でコストを抑えて組むのにおすすめの「B760 DS3H DDR4 (rev. 1.0)」 |
協力:日本ギガバイト株式会社