Antec「Performance 1 FT」内部構造チェック
ここからは内部構造をくまなく見ていこう。外観周りは見せる要素が印象に強く残っているが、Performance 1 FTは高エアフロー設計が前面にアピールされている。両サイドを強化ガラスで密閉した代わりに仕掛けられた、高冷却に向けての設計や、ストレージ収納力、ボトムカバー内部の様子など、その全てを解説しよう。
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強化ガラス製サイドパネルを外した左側面の様子
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強化ガラス製サイドパネルを外した右側面の様子
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マザーボードトレイ
作業の妨げになるモノが見当たらない左側面開口部。マザーボードトレイに注目すると、出荷時よりスタンドオフ(台座)が装着されている。ATX規格の標準レイアウトで、3列に上・中・下段の合計9本。そのうち2列目の中段のみ段差付きのスタンドオフが使用されていた。いまさら説明するまでもないが、ネジ留めを行う際、マザーボードのポジション決めに役立つ。
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オレンジの丸印が、段差付きのスタンドオフの固定位置。マザーボードのネジ穴に段差が合い、バックパネルやその他8本のスタンドオフネジ穴位置のおおよそが決まる
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ボトムカバー(シュラウド)
Performance 1 FTの下部には、ボトムカバー(シュラウド)が装備されている。L字型のプレートをシャーシにリベット留めした構造は、右側面と後方の開口部を活用。前方にはケージタイプのシャドウベイユニット、後方には電源ユニットをそれぞれ搭載させ、システムが複雑になることで煩雑さを増すケーブル類を収納する事もできる。
なお内部高は実測で約95mmと標準的で、天板部のほとんどを通気孔とし、熱ごもりを防止する役割を果たしてくれる。なおこれらについては、各ポジション毎の解説で個別にチェックを行う事とする。
冷却ファンレイアウト(1):フロントファン
- 冷却ファン:120mm/140mm x3基(140mm/30mm厚Storm T3 PWMファンx3基標準)
- ラジエーター:120/140/240/280/360/420mmサイズ
フロントパネル内部のシャーシ面には、出荷時より3基の冷却ファンが装備されている。チョイスされたのは
「Storm T3 140mm PWM FAN」で、サイズは140mm。さらにトピックは厚さが30mmであること。標準的な25mmから5mmプラスすることでブレードの表面積を稼ぎつつ角度が付けられるため、静音性を維持しながらより多くの風量を生み出したい考えだ。なおAntec本社の日本担当者によると、単体での販売予定もあるという。

またLED非搭載である事を好意的に受け止める読者も多いだろう。本来の仕事である冷却ファンに徹し、ときに複数になるにつれ煩雑で悩みの種となるRGB LEDケーブルが無い事で、組み込み易さにも貢献している。
なおフロント部には120mmファン3基換装用のネジ穴(スリットタイプ)も用意され、ラジエーターは120/140/240/280/360/420mmサイズが搭載できるようになっている。
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Storm T3 140mm PWM FAN:回転数600~1,500rpm、風量112.72CFM、静圧2.29mmH2O、定格電圧DC12V、動作電圧DC6.0~13.8V、定格電流≤0.36 A
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