マザーボードへの取り付け方法を確認したところで、ここからはMSI「MAG CORELIQUID E360」の冷却性能をチェックしていこう。テストに使用するCPUは第14世代Intel CoreプロセッサのCore i7-14700KとCore i9-14900Kで、マザーボードにはIntel Z790チップセットを採用するMSI「MAG Z790 TOMAHAWK MAX WIFI」を組み合わせた。またストレステストは「OCCT 12.1.10:CPU:データセット大」と「CINEBENCH 2024:30 minutes(Test Stability)」の2種類を使用し、CPU温度はCPU Packageの数値を、騒音値はデータログ機能を備えた騒音計アズワン「TM-103」をオールインワン型水冷ユニットから30cmの距離に設置して計測を行った。
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| ラジエーターの3基のファンは、3分岐ケーブルを使いマザーボードの4pin PWMコネクタに接続しているため「MSI Center」から制御可能 | |
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| ファンやウォーターブロックのアドレサブルRGB LEDもマザーボードの3pin ARGB LEDコネクタに接続しているため、「Mystic Light」でカラーや発光パターンを制御できる |
まずはCore i7-14700KのPL1/PL2をProcessor Base Powerの125Wに設定した場合の冷却性能から確認を進めていこう。
テスト中のPackage Powerは「OCCT 12.1.10」「CINEBENCH 2024:30 minutes(Test Stability)」とも設定通り125W前後、Pコアクロックは4.4~4.5GHz、Eコアクロックは3.7~3.8GHzで推移する。またCPUの温度は60℃前後、最高温度も69℃までしか上がらず、冷却性能にはまだかなり余力が残されている。
ファン回転数は、アイドル時が900rpm前後、高負荷時でも1,300rpm前後で、回転率も70%前後に留まる。また騒音値も38dBA前後までしか上がらず、風切り音が気になることはなかった。
Processor Base Powerである125Wの設定では、まだまだ冷却性能に余力が残されていた「MAG CORELIQUID E360」。続いて、Maximum Turbo Powerである253Wに設定した状態でもテストを実施していくことにしよう。
まず「OCCT 12.1.10」の結果を確認すると、Package Powerは200~240W、コアクロックはPコアが5.5GHz、Eコアが4.3GHzに上昇した。そしてCPU温度は途中何度か90℃を超えるシーンがあるものの、それ以外は80℃前後で推移している。
また「CINEBENCH 2024」ではPackage Powerは240~270Wへと増加しているものの、CPU温度は90℃前後で、CPUが許容する最高温度100℃までは、若干の余裕がある。ちなみに動作クロックはPower Limit制限に引っかかるため、Pコアが5.4~5.5GHz、Eコアが4.2~4.3GHzの間を小刻みに変動している。
「OCCT 12.1.10」ではファン回転数は1,600~1,800rpm、ノイズレベルも43~47dBAで、ファンの回転数に合わせて変動している。また「CINEBENCH 2024」では、ファン回転数はフル回転となる1,800rpm前後、ノイズレベルも47dBA前後でフラットなグラフになった。
最近のオールインワン型水冷ユニットはファン回転数が最高2,000rpm以上、ノイズレベルも50dBAを超える製品が多い中、「MAG CORELIQUID E360」は回転数、ノイズとも控えめ。決して静音ではないが、50dBAを超える製品に比べると明らかに風切り音は小さかった。
また「CINEBENCH 2024」のスコアを確認したところ、PL1/PL2=125WとPL1/PL2=253Wでは、シングルコアテストは全く同じだったが、マルチコアテストは1,622pts→1,871ptsへと約16%スコアが上昇していた。
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| PL1/PL2=125W設定の「CINEBENCH 2024」の結果 |
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| PL1/PL2=125W設定の「CINEBENCH 2024」の結果 |