続いて、Power Limitが実質無制限になるPL1/PL2=4,096Wの設定でも冷却性能をチェックしてみることにしよう。
「OCCT 12.1.10」では、Package Power、CPUのクロックともPL1/PL2=253Wと大きく変わらず、CPUの温度もほぼ同じだった。一方、「CINEBENCH 2024」ではPackage Powerは250~300Wに増加し、CPUクロックもPコアが5.5GHz、Eコアが4.3GHzでほとんどブレがなくなっている。またCPUの温度は途中何度か最高温度である100℃にタッチするものの、平均温度は94℃前後で、Core i7-14700KであればPower Limit無制限の設定でも発熱を抑え込むことができる。
ファン回転数やノイズレベルは「OCCT 12.1.10」「CINEBENCH 2024」ともPL1/PL2=253Wとほぼ同じだった。また「CINEBENCH 2024」のマルチコアテストのスコアも1,871pts→1,875ptsとほぼ変わらないことから、Core i7-14700Kに関してはPL1/PL2=253Wが一番バランスの良い設定と言えるだろう。
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| PL1/PL2=253W設定の「CINEBENCH 2024」の結果 |
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| PL1/PL2=4,096W設定の「CINEBENCH 2024」の結果 |
Core i7-14700KではPL1/PL2=4,096Wの設定でも若干余力を残していた「MAG CORELIQUID E360」。そこで動作クロックが高く、Eコア数も多い最上位CPU Core i9-14900KのPL1/PL2=4,096Wの設定でも検証を進めていこう。
「OCCT 12.1.10」では、Package Powerが250~300Wまで上昇するもののCPUの温度は概ね90℃前後で推移する。ただし、「CINEBENCH 2024」ではPackage Powerは最高351W、平均値も300W前後で、CPU温度も許容最高温度の100℃で張り付いている。Pコアクロックも5.3GHz~5.7GHzの間で細かく変動しており、TDP300W前後が「MAG CORELIQUID E360」の冷却性能の限界になるようだ。
ファン回転数はいずれもフル回転の1,800rpm前後、ノイズレベルも47dBA前後で安定している。