マザーボードへの搭載手順(AMD Socket AM5/AM4)
次にAMD Socket AM5への搭載手順もご覧頂こう。多くのCPUクーラーがそうであるように、AMD系はIntel系に比べ工程が簡略化できている。ユーザー側の負担を思えばユーザビリティと置き換える事ができるだろう。ソケットが進化する毎にCPUクーラーマウントホールが変わってしまうIntelとは違い、共通点を残しながら世代を重ねて行くのがAMDの特徴でもある。
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2本のネジでバックプレートに固定された、マザーボード備え付けのプラスチック製台座を外す
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備え付けバックプレートのネジ穴に「AMD AM5/AM4 standoffs」を4箇所固定
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その上に「AMD AM5/AM4 mounting brackets」を仮置きする
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LGA1700でも使用した「Thumbnuts」でブラケットを固定すれば、台座が完成
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残る作業はLGA1700同様。実際に作業を行うことで、ラチェットスライドロック式ファンマウントシステムの便利さが実感できる
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メモリスロットクリアランスの賛否両論
次にA115のメモリスロットクリアランスを見ていこう。140mmファンを2基搭載させるハイエンド志向のサイドフロー型とくれば、当然隣接するメモリスロットへの干渉は気にしなければならない。
これを回避する術は設計段階より念頭にあるハズだが、ヒートシンクに搭載する2基の冷却ファンはいずれもスライド式(ラチェットスライドロック式ファンマウントシステム)で高さ調節ができるようになっている。
冷却性能はさておき、メモリスロットに近い第1ヒートシンク搭載の冷却ファンは、無段階で上方向にスライドができるため(=外れるまで)ことから、大型メモリを搭載しても干渉する事はない。また最もCPUソケットに近いメモリスロット上空には第1ヒートシンクの専有部に掛かっているものの、アルミニウム製放熱フィン3枚分はカットされているため、メモリスロット有効スペースが確保できている。
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CORSAIR主力メモリ「VENGEANCE RGB DDR5」シリーズ。検証には「CMH32GX5M2B6000Z30K」を用意した。なおヒートスプレッダを含めた高さは実測で約44.6mm、メーカー公表値は44mmとされる
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ちなみにCORSAIRに確認したところ、ヒートスプレッダ付き主力メモリ
「VENGEANCE RGB DDR5」シリーズの組み合わせは問題が無いという回答を得ている。では実際にA115とVENGEANCE RGB DDR5を搭載すると、冷却ファンの位置はどうなるだろうか。
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検証に用意した「VENGEANCE RGB DDR5」(CMH32GX5M2B6000Z30K)※本稿ではメモリスロットクリアランス計測を目的としているため、実際にシステムに合ったメモリ装着スロット位置を確認してい頂きたい
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冷却ファンをVENGEANCE RGB DDR5が収まる高さまでスライドさせると、マザーボードの基板表面からの実測でA115の全高は164.8mmから約20.2mm加算され、約185mmになってしまった。ちなみに製品サイトには「3000/4000/5000/7000シリーズの各PCケースに対応」と明記されているものの、CPUクーラー有効スペースは、3000/4000/5000各シリーズが高さ170mmまで、唯一7000シリーズが190mmまでのサポートとなり、検証結果を見る限りPCケースを選ぶ事は間違いない。
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VENGEANCE RGB DDR5を装着すると、A115の全高は164.8mmから約185mm(約20.2mm加算)となった
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ちなみに明記された対応PCケース中、以前
「iCUE 4000D RGB AIRFLOW」の検証を行っている。ここではレーザー距離計を用いたCPUクーラー有効スペースの計測を行っているが、計測結果は179mmだった。誤解を招く可能性があるため引き合いに出す事には躊躇したが、拡大した全高と有効スペースの実測値はかなり際どい関係にある。