Max Turbo Powerが219WのCore i7-14700の発熱を完全に押さえ込むことができたCORSAIR「A115」。続いて、第14世代Intel Coreプロセッサの中でも特に人気の高いCore i7-14700Kを想定し、PL1/PL2=253Wに設定した状態でもチェックを進めていこう。なおCPU温度(CPU Package)については、こちらもメモリ側の冷却ファンを上方に約20mmスライドした状態でも計測を実施している。
CPU温度は「OCCT 12.1.15」実行時で80℃前後、「Cinebench 2024」実行時は85℃前後で、PL1/PL2=219Wの設定からはそれぞれ約7℃と約9℃上昇している。ただし、Package Powerはいずれも253W、動作クロックもPコアが5,200MHz前後、Eコアが4,100MHz前後で安定しており、こちらも冷却性能に問題はない。また上方スライド時は「OCCT 12.1.15」「CINEBENCH 2024」とも平均温度は約1℃高くなっている。ここまでの結果を見る限り、冷却ファンをずらすことでヒートシンク全体に風が当たらなくなる影響はわずかだが確実にあるようだ。
ファン回転数はPL1/PL2=219Wの設定と同じく1,600rpm前後で、ノイズレベルもおおむね43dBA台で推移している。さすがに静音の範疇には入らないが、2,000rpmを大きく上回る高速ファンを搭載し、ノイズレベルが50dBAを超えるハイエンドオールインワン型水冷ユニットに比べると明らかに静かだった。
続いて、第14世代Intel CoreプロセッサのフラッグシップモデルであるCore i9-14900Kでもチェックを進めていこう。なおPL1/PL2はMaximum Turbo Powerの253Wに設定した状態で検証を行っている。
「OCCT 12.1.15」の動作クロックはPコアが5,700MHz前後、Eコアが4,400MHz前後、「Cinebench 2024」でもそれぞれ5,400MHz前後、4,400MHz前後で、Core i7-14700のPL1/PL2=253Wの設定よりもさらにクロックが上昇しているのも関わらず、CPU温度は「OCCT 12.1.15」で75℃前後、「Cinebench 2024」では82℃前後に留まる。このことから、第14世代Intel CoreプロセッサのMaximum Turbo Power設定までなら、どのCPUを使用した場合でもCORSAIR「A115」なら冷却性能が不足することはない。またPower Limitを無制限設定にすれば、さらなるパフォーマンスアップも期待できるだろう。
これまでのテストと同様、ファン回転数は1,600rpm前後まで上昇し、ノイズレベルもおおむね43dBA台で推移する。