AMDのハイエンド環境で「KURO-AIOWC360/V2」の冷却性能を検証
ここからは「KURO-AIOWC360/V2」を組み込んだPCを用意し、その冷却性能を検証していく。CPUにはTDP170WのRyzen 9 9950Xを使用し、標準設定(PPT200W)のほか、Ryzen 9 7950Xを想定したPPT230W設定、Ryzen 9 9900Xを想定したPPT162W設定でも検証を行った。
なお、CPUに負荷をかけるストレステストは「OCCT 13.1.16:CPU」および「Chinebench 2024:30 minutes(Test Stability)」を使用し、CPU温度は「CPU (Tctl/Tdie)」の数値を参照。テスト中の騒音値は30cmの距離にデジタル騒音計を設置して計測している。
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検証環境のCPUには、16コア/32スレッドかつTDP170WのRyzen 9 9950Xを使用した
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Ryzen 9 9950X標準設定時(PPT200W)の冷却性能
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Ryzen 9 9950Xの標準設定ではPPTが200W、TDCが160A、EDCが225Aに設定されていた
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まずはRyzen 9000シリーズの中で最もTDPが高いハイエンドCPUである、Ryzen 9 9950Xの標準設定(PPT200W)における冷却性能を見ていこう。
OCCTとCinebench実行ともに、CPU温度は
75℃前後。CPUの最大動作温度の95℃はもちろん、一度も80℃を超えることはなかった。Package Powerの方は、TDP通りになる傾向があるOCCTでは185W前後、ChinebenchではPPT設定の200Wで安定。動作クロックもPackage Powerに連動して推移しており、特に200WまでPackage Powerが上がっていたChinebenchでは安定して5GHz前後が出ている。「KURO-AIOWC360/V2」はRyzen 9 9950Xを問題なく冷却できているようだ。
Ryzen 9 9950X標準設定時(PPT200W)のファン・ポンプ回転数と騒音値
どちらのテストでも回転数は
1,700rpm前後までで、2,000rpmのファンとしてはまだ余裕を残していると言える。ただし騒音値はいずれも
50dBAを超えることから、バラック状態でのストレステスト実行中は、明らかにファンの動作音が大きくなったことを実感した。なお、アイドル時は30dBA台に収まっており、ほとんど動作音は気にならなかった。