電源回路の発熱を確認
最後に、ストレステスト「OCCT 5.5.7:CPU:Linpack」を実行して、定格および「手動オーバークロック」の電源回路の発熱を確認しておこう。アイドル時は起動直後10分間放置した状態、高負荷時は「OCCT 5.5.7:CPU:Linpack」で30分間負荷をかけた状態でサーモグラフィを撮影した。
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定格:アイドル時のサーモグラフィ結果
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定格:高負荷時のサーモグラフィ結果
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手動オーバークロック:アイドル時のサーモグラフィ結果
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手動オーバークロック:高負荷時のサーモグラフィ結果
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オーバークロック時でも大きく消費電力が変わらないことから、アイドル時の温度はほとんど変化なし。また120W近く消費電力が増えている高負荷時でも、その差はわずか5℃に抑えられている。Intel Z490マザーボードでは、ヒートシンクに冷却ファンを搭載するモデルも存在しているが、もともと高い冷却性能を誇る「Fins-Array II」ヒートシンクには不要と判断したのだろう。
今考えられる最高峰の装備を身にまとう究極モデル
ワンランク下のハイエンド「Z390 AORUS MASTER」との比較でもおよそ2倍。HEDT向けプラットフォームでもめったにお目にかかることがない、税込約10万円という驚きの価格で投入されたGIGABYTEのウルトラハイエンドマザーボード。当然ながらその装備に一切の妥協なし。特に電源周りの作りは秀逸で、定格運用はもちろんのこと、かなりピーキーなチューニングを施した場合でも、冷却性能、出力とも不満が出ることはないだろう。
またIntelのメインストリーム向けプラットフォームは、その世代限りということも多く、せっかくハイエンドマザーボードを購入しても、すぐに使えなくなってしまう可能性があった。しかし「Z490 AORUS MASTER」では、PCI-Express4.0への対応を表明。暗にではあるが“次世代CPUへのアップグレードが可能”であることが謳われているのも大きな魅力だ。
そして、コンシューマ向けでは最速となる10ギガビットLANや、最新のIntel Wi-Fi 6 AX201無線LAN、「ESSential USB DAC」を含む3系統の高品位オーディオといった厳選された機能の数々は、この先次世代CPUが登場した時点でもチープ化していることはないだろう。
高級モデルとして鳴らした先代
「Z390 AORUS XTREME」をも上回る価格で投入された「Z490 AORUS MASTER」だが、その充実した機能と将来性を考えれば、間違いなくその価格以上の価値がある製品だ。
協力:⽇本ギガバイト株式会社