垂直マウントのグラフィックスカードを搭載する
マザーボード左手の縦エリアに垂直マウントされる、グラフィックスカード。有効スペースは長さ330mmのところ、搭載テストには
MSI「GeForce RTX 2060 GAMING Z 6G」を用意した。カードサイズは幅129mm、長さ247mmm、厚さ52mmの2スロット占有デザインで、VGAクーラーにはトルクスファン3.0をデュアル搭載する「Twin Frozr 7」が装着され、「RGB Mystic Light」に対応するイルミネーション機能も装備されている。魅せるPC構築にはいいチョイスだろう。
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イルミネーションによる魅せる要素も魅力的だが、LED消灯状態もまたよし
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搭載方法はトップ部2段の拡張スロット金具を外し、グラフィックスカードをハンドスクリューで固定。天井からぶら下がるような格好だが、上部のスロットとPCI-Expressバスの2点(面)で957gの重量をしっかりマウントできるため、ぐらつく事も無く安定した姿勢で装着ができた。なおグラフィックスカードとボトム面までの空きスペースを計測すると、約90mmだった。「The Tower 100」のグラフィックスカード居住スペースは十分確保できている事が分かる。
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ショーウィンドウ風だけに、背面(バックプレート側)も常時露出状態。近頃ではワンポイントにLEDイルミネーションが内蔵された製品も多く、効果的にアピールできる
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強化ガラス製サイドパネルを装着した状態での左側露出状態。グラフィックスカードの上半分が完全に露出する格好
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オールインワン水冷ユニットを搭載してみる
マザーボード、電源ユニット、グラフィックスカードを所定の位置に収め、主要なケーブルの配線も終えたところでオールインワン型水冷ユニットを搭載する。検証には
Thermaltake「TH120 ARGB Sync」(型番:CL-W285-PL12SW-A)を用意した。国内市場では2020年9月25日より販売がスタートしている。
ラジエターはトップマウントのみなので、標準装備の120mm冷却ファンを一旦外す。この空きスペースに、120mmサイズラジエターと冷却ファンをシャーシ内側に固定。ウォーターチューブは右側面側に向けて設置している。
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標準120mm冷却ファンを外し、ラジエター+冷却ファンをシャーシ内側にそれぞれ固定した。両サイドおよびフロント各パネルが無い状態だけに、ウォーターブロックの搭載作業も楽に進める事ができる
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Mini-ITX規格のPCケースだけに多少身構えたものの、搭載作業は拍子抜けするほどスムーズに完了。電源ケーブルに加え、ARGBケーブルの配線も必要だが、事前に主要構成パーツの搭載および配線が終わっているだけに、落ちついて作業ができた。動作テストも1発OKで、仕上げに裏配線スペースの気になるケーブルを束ねればいい。なお今回は付属のLEDコントローラーを使用。本体は電源ユニットの右側空きスペースに設置している。

なお余談だが、今回用意した「TH120 ARGB Sync」はウォーターブロックの仕様上、発光するロゴマークの向きが変更できなかった。どうしても気になるなら固定角度が変更できる
Thermaltake「Water 3.0 120 ARGB Sync」(型番:CL-W232-PL12SW-A)を選択すればいい。
総評:良いPCケースに共通する条件
兄貴分「The Tower 900」を初めて見たとき、よく思いつくなぁと心底感心したものだ。ミドルタワーPCケースは基本形がガチガチに完成しており、誰もが思い起こす長方形の箱に、各社が独自色を出そうとあれこれ付け加えていく。一方でヘリコプターにインスパイアされた
「AH T200」シリーズや、壁掛けできるオープンフレーム型PCケース
「Core P」シリーズなど、思いも寄らない新しいカタチを製品化するThermaltakeは、柔軟な発想とそれを市販化してしまう底力がある。今回検証した「The Tower 100」もまた、熱心な自作派を唸らせた。

見た目の印象とは異なり、思いのほか各構成パーツの居住性は良好で、組み込みやすい。マニュアルの素っ気なさはやや気になるものの、それさえクリアすれば自作経験の浅いライトユーザーにもお勧めできる小型筐体だ。
とかく良いPCケースに共通しているのは、ストレスなく組み込み作業ができること。完成した姿ばかりに目が行きがちだが、「The Tower 100」には組み込みから稼働まで、ずっと楽しめる要素が詰め込まれている。余談だが、筆者なら派手にピカピカ光らせるよりも、行灯よろしくシックな佇まいで部屋の隅に置く、かな。
協力:Thermaltake Technology
株式会社アスク