数少ない国産自作PCパーツメーカー、株式会社サイズ(以下:サイズ)。市場を熟知した強みを生かし、これまで多くのオリジナル製品を自作パーツ市場に投入してきた。その多くをエルミタでは検証しているワケだが、今回の新製品
「虎徹MARK3」(型番:SCKTT-3000)には、これまでとはまた違う、製品開発の苦労と、思い入れがあるようだ。 そう思わせるのは、エルミタでは三度ご登場いただくサイズの開発担当・S氏の存在。今回も多岐にわたり虎徹MARK3に関する事前レクチャーがあった。開発にまつわる話は興味深く、産みの苦しみがあるからこそ完成した製品への愛着と自信がひしひしと伝わってくる。
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| サイズ「虎徹MARK3」(型番:SCKTT-3000) 市場想定売価税込3,980円(2023年2月15日出荷開始) 製品情報(株式会社サイズ) |
そんなS氏から"伝授された”虎徹MARK3の改良点や特徴は要所で解説していくとして、新製品の進化に伴い歴代「虎徹」シリーズの変遷を簡単に確認しておきたい。
2013年10月23日発売 市場想定売価税込3,280円
2017年7月8日発売 市場想定売価税込3,980円
2022年1月12日発売 市場想定売価税込4,880円
虎徹MARK3(型番:SCKTT-3000) 2023年2月15日発売 市場想定売価税込3,980円
初代登場は2013年10月だから、かれこれ10年になる。対応ソケットの進化はリテンションで対応できるCPUクーラーはPCケース等と同様、外観が大きく変わらないパーツのひとつだ。少数ながらベイパーチャンバー等を採用した製品もあったが、冷却機器として定番に置き換わるほど劇的なテクノロジーの進化はなかった。 そんな保守的とも言えるPCパーツを、如何に改良して冷却性能を向上させて行くか。虎徹の10年は、ユーザーの声や新たに登場するライバルモデルの存在、販売店からの要望など、あらゆる要素に耳を傾けた10年であっただろう。そしてどれもが虎徹MARK3に集約され、販売にまで漕ぎつけた。
パッケージは虎徹MarkⅡ Rev.Bの「縦長」から「横長」に"改良”。パッケージサイズは幅180mm、奥行き140mm、高さ135mmで、付属品を含めた総重量は1,011gとされる。カラーリングも紫掛かった前作から、ネイビーに近い色に変更。日本国内デザインとあって、イマドキに洗練されている。 実機に触れる前にスペック表を確認すると、対応ソケットはIntel系でLGA1700/1150/1151/1155/1156/1200、AMD系でSokcet AM4/AM5。当然ながら最新プラットフォームまでをフォローしている。スタイルは虎徹シリーズたるサイドフロー型CPUクーラーで、搭載される冷却ファンは120mm。全高を154mmに抑えることで、多くのミドルタワーPCケース(または小型ミニタワー)での運用が想定されている。 また製品を構成しているのは、アルミニウム製放熱フィンと銅製ヒートパイプ、銅製受熱ベースプレートで、これらを組み合わせて虎徹MARK3が完成する。ザックリ説明するとこのようなところで、細部については検証セッションでじっくりと解説したい。
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世代が代わり、後を引き継ぐとあって、虎徹MarkⅡ Rev.Bとの比較は避けられない必達事項。そこで改めて虎徹MarkⅡ Rev.Bの検証記事を読み返すと、決して評価は悪くない。しかし新作はさらに改良が加えられ、確実にブラッシュアップされている。いったいどこが改善(または改良)されているのか。本稿では要所で前作との比較を行い、虎徹MARK3の進化振りを解説していく。
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| 虎徹MarkⅡ Rev.B(左)と新作虎徹MARK3(右)。直接並べて比較すると、マイナーチェンジではなくフルモデルチェンジである事が分かる |
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| 冷却ファンを固定するワイヤークリップも改良。放熱フィンが歪むほど硬かったものが、虎徹MARK3(左)では柔らかくなり、固定部分の幅を広く設計し直した |