
「RZ620」にとっては、PL1/PL2=125Wの設定はやや負荷が軽いということで、続いてPower LimitをMaximum Turbo Powerの253Wに設定した状態でもテストを実施していこう。

「OCCT 12.1.10」の結果から確認すると、Package Powerは220~250W、動作クロックはPコアが5.5GHz、Eコアが4.3GHzでいずれもフラットなグラフ。CPU温度は突発的に90~100℃まで上がるシーンもあるが、概ね
80℃前後で安定している。また「CINEBENCH 2024」の結果を確認すると、Package Powerは設定値通り253W、動作クロックはPコアが5.3~5.5GHz、Eコアが4.2~4.3GHzで動作する。ちなみにCPU温度は
93℃前後で、「OCCT 12.1.10」から約13℃上昇している。

ファン回転数はいずれも「M:パフォーマンスモード」の最大値となる
2,000rpmまで上昇している。ノイズレベルも
45dBA前後とPL1/PL2=125Wの設定からは約9dBA増加し、バラック状態では風切り音が気になった。とはいえ、これはハイエンドの空冷CPUクーラーやオールインワン型水冷ユニットではどれも同じ。それよりもPackage Powerが250Wを超えるにも関わらず、しっかりと冷やすことができている冷却性能を褒めるべきだろう。
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| PL1/PL2=125W設定の「CINEBENCH 2024」の結果 |
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| PL1/PL2=253W設定の「CINEBENCH 2024」の結果 |
またPL1/PL2=125WとPL1/PL2=253Wの「CINEBENCH 2024」のスコアを確認すると、シングルコアテストに変化はなかったがマルチコアテストは約15%向上しており、CPUクーラーの性能が十分ならPower Limitを引き上げるメリットは確実にある。

続いて、Power Limitを実質無制限となるPL1/PL2=4,096Wに設定した場合でも冷却性能をチェックしていこう。

「OCCT 12.1.10」では、Package Powerの最低値が220Wから230Wに引き上げられるため、CPUの温度も若干上がり
80~85℃の間で推移する。さらに「CINEBENCH 2024」ではPackage Powerは275W前後まで上昇しており、CPU温度も許容最高温度である100℃でほぼ張り付いてしまう。ただし、30分間のテスト中にサーマルスロットリングによるクロック低下は見られず、TDP270W前後が「RZ620」の冷却性能の限界になるようだ。

ファン回転数は「OCCT 12.1.10」「CINEBENCH 2024」ともPL1/PL2=253Wとほぼ同じ
2,000rpm前後、騒音値も
45dBA前後で推移する。
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| PL1/PL2=253W設定の「CINEBENCH 2024」の結果 |
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| PL1/PL2=4,096W設定の「CINEBENCH 2024」の結果 |
そして「CINEBENCH 2024」のマルチコアテストのスコアを確認するとその差は1%未満(1,840pts→1,853pts)で誤差の範囲。CPU温度の上昇を考えると敢えて無制限に設定する必要はなく、「RZ620」とCore i7-14700Kの組み合わせならPL1/PL2=253Wが一番バランスの良い設定と言えるだろう。