銅製受熱ベースとφ6mmヒートパイプ
ヒートシンクだけの状態で、受熱ベースプレートとヒートパイプを観察してみる。メッキ処理が施された銅製の受熱ベースプレートは、実測で幅約39.5mm、奥行き約42mm、厚さは約15mm。この上部には出荷時より両端にスプリングネジが装着された「クロスバー」がネジ留めされている。
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厚さ約15mmの銅製の受熱ベースプレートへ直接ネジ留めされた「クロスバー」
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受熱ベースプレートに挟まれた格好の銅製ヒートパイプはφ6mmで、これを合計6本使用。曲げ加工により1列にほぼ等間隔で配置し、合計50枚のアルミニウム製放熱フィンに貫通させている。ブラックに塗装された全身からは工作精度の善し悪しは判別できないが、歪み無くキレイに形作られていることは言うまでもない。これに冷却性能がどうであるかは最終の検証パートで明らかにしていく。
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左右対称デザインのAK620 DIGITAL PRO。ブラック塗装は精悍かつ精密な印象が強く、高価格帯冷却機器としての雰囲気は十分だ
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ほぼ等間隔に配置されたφ6mmヒートパイプも他の部品同様、ブラック塗装が施されている。CPUからの熱をヒートシンクへ拡散させる役割であることはご存じのとおり
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空冷用に用意された?搭載ファン「FT12 SE」
AK620 DIGITAL PROで採用されている2基の120mmファンは
「FT12 SE」だ。どこかで見覚えのある型番と思い検索すると、今年6月に検証したオールインワン型水冷ユニット
「MYSTIQUE 360」に搭載されていたモデルだった。アユートの製品紹介には高性能FDB(流体動圧軸受)ファンと記されているが、AIO水冷搭載ファンとはスペックが若干異なっていた。

今回搭載されているモデルは、回転数500~1,750rpm±10%、騒音値最大25dBA、風量60.89CFM、静圧2.91mmAq。MYSTIQUE 360は500~2,150rpm±10%だから、最大回転数をやや落としたバリエーションモデルのようだ。ちなみにDeepCoolのサイトには、カタログモデルとして
「FT12」が掲載されている。そこには採用モーターや軸受け、さらにブレードの素材まで細かく解説されている。ただし同等品か否かは不明につき、参考程度に留めておきたい。

なお、搭載されている2基のファンは共通で、ヒートシンクにはそれぞれワイヤークリップで固定されている。ネジ穴のあるフレームの四隅はラバー素材
「フルカバーラバーパッド」で、駆動振動を吸収する役割を果たしている。防振=静音対策にも抜かりはない。
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四隅のラバー素材「フルカバーラバーパッド」にはネジ穴があり、ここに金属製ワイヤークリップを固定する格好。DeepCoolのカタログモデルの多くに採用されており、主素材にはグラスファイバーとPBTで構成された強化複合材料が使用されているという
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