「G-Master Velox Mini B650A AMD Edition」の内部構造を見ていこう
続いて左サイドパネルを取り外し、その内部構造をチェックしていく。各種パーツはどのように組み込まれているだろうか。スペースの限られた筐体内部に最新パーツがぎっしりと詰め込まれた様子は、普段から自作をする人にとっても興味深いはずだ。
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フロントからリアまで、エアフローを妨げるものはほとんどない
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小型PCにぴったりなRyzen 5 9600を採用
標準構成におけるCPUは、6コア/12スレッドのRyzen 5 9600が採用されている。Ryzen 9000シリーズの下位モデルながら、ベースクロック3.8GHz、ブーストクロック最大5.2GHzとゲーム用途であれば十分なスペック。さらにTDPは65Wのため、パフォーマンスを維持しつつも冷却をそれほど気にする必要なく運用できる。まさに「CH160」のような小型ケースで使うにはピッタリなCPUと言える。
なお、アップグレードとして「Ryzen 5 9600X」「Ryzen 5 9700X」「Ryzen 7 9800X3D」「Ryzen 9 9900X」「Ryzen 9 9900X3D」といった上位のCPUが用意されている。ニーズやコストに合わせて選ぶとよいだろう。
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アルミニウムフィンやチューブにいたるまでホワイトで統一されたSilverStone「SST-PF240W-ARGB-V2」。ラジエーターは自動車クラスの耐食性を備えた高耐久品を採用する
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冷却クーラーのオプションも豊富に用意されている。標準で採用されるのはサイドフロー型の定番モデルDeepCool「AK400」。さらにNoctua「NH-U12S redux」とNoctua「NH-U12A」という2つの空冷モデルをラインナップする。サイコム担当者によると
「プラス1万円以上のオプションながら、Noctuaを選ぶお客様が多い」という人気のカスタマイズだ。
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DeepCool「AK400」
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Noctua「NH-U12A」
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さらに、オールインワン型水冷ユニットの選択も可能。検証機で採用されていたSilverStoneの「SST-PF240W-ARGB-V2」のほか、Asetek「624S-M2」をベースに冷却ファンをNoctua「NF-F12 PWM」(300~1,500rpm/22.4dBA)の2基仕様としたサイコムオリジナル仕様のオールインワン型水冷ユニットも選択できる。
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ファンとウォーターブロックにはアドレサブルRGB LEDによるイルミネーション機能を備え、ケース内を美しくドレスアップしてくれる
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「G-Master Velox Mini B650A AMD Edition」における構成では、空冷CPUクーラーでも十分な冷却能力ながら、オールインワン型水冷ユニットではさらに冷却性が向上。
「ゲームや動画編集など長時間の高負荷運用をするならオススメのカスタマイズ」だという。
ゲーミングPCのキモとなるグラフィックスカードは最新モデルも選択可能
ゲーミングPCのパフォーマンスを左右するグラフィックスカードには、MSI「GeForce RTX 4060 VENTUS 2X BLACK 8G OC」が標準で搭載される。このほか、カスタマイズメニューには、ホワイトカラーのGeForce RTX 4060 TiやサイコムオリジナルのSilent Master Graphics RTX4060Ti 8GB、Intel ARC B580が選択可能。さらに電源ユニットをアップグレードすれば、GeForce RTX 5070やRadeon RX 9070といったハイエンドグラフィックスカードもチョイスできる。
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MSI「GeForce RTX 4060 VENTUS 2X BLACK 8G OC」
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検証機で採用されるASUS「DUAL-RTX4070S-12G」は、長さ約267mmのカード長や8pin×1の補助電源コネクタなど、扱いやすさを追求しつつ、冷却性能や静音性にも妥協しないGeForce RTX 4070 SUPER採用のグラフィックスカードだった。
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ASUS「DUAL-RTX4070S-12G」
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合わせて、電源ユニットは標準構成のCWT「CSN650M-G」から、SilverStone製のSFX対応700Wモデル「SX700-G」にカスタマイズすることで、最新グラフィクスカードに対応している。またスペックだけではなく、カラーにもこだわるというユーザーなら、老舗電源ユニットメーカーFSPのホワイトモデル「DAGGER PRO ATX3.0(PCIe5.0) 850W」を選択可能だ。
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フロントパネルの裏側にマウントされる電源ユニット。専用の電源ケーブルをトップ経由でリア側に通している
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なお、サイコムのカスタマイズメニューでは、グラフィックスカードとの兼ね合いで電源容量に十分なマージンがない場合、警告が表示されてオーダーできない仕様になっている。電源に限らず、対応していないパーツを間違ってカスタマイズしたまま注文してしまうといった心配は無用。ユーザーにとっては実にありがたいシステムだ。
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電源容量と対応グラフィックスカードはもちろん、干渉してしまうパーツなども選択できない。特にMini-ITXベースの小型PCの場合には重宝するシステムだ
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マザーボードはMSIのゲーミングモデルを採用
マザーボードはSocket AM5向けのAMD B650を搭載する、MSIの「MPG B650I EDGE WIFI」が標準採用されている。80A SPSによるダイレクト8+2+1フェーズ電源回路と、2オンス銅層を備えたサーバーグレードの10層PCBを採用するMini-ITXモデルで、ストレージはM.2×2、SATA 3.0×4、拡張スロットはPCI Express 4.0(x16)×1を備える。なお、カスタマイズには対応していない。
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リアインターフェイスをチェック。ネットワークはRealtek RTL8125BGによる2.5ギガビットLANとAMD Wi-Fi 6E無線LAN機能を備える。初心者でも分かりやすく黄色いシールで挿すポートが分かるようになっているのが嬉しい
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48GBx2枚の96GBまで対応するDDR5メモリ
標準構成のメモリはJEDEC準拠のモジュールにメジャーチップを搭載したDDR5-5600対応品を使用。16GB(8GBx2枚)から最大96GB(48GBx2枚)まで選択できる。なお、検証機で使われていたのはCrucialのDDR5-5600対応、レイテンシCL46-45-45の16GBモジュール「CT16G56C46U5」だった。
PCIe 5.0対応SSDも選択可能なストレージ
ストレージとして搭載されているのは、Crucial「P3 Plus」シリーズの1TBモデル「CT1000P3PSSD8」。Micron製176層3D NANDフラッシュを搭載したSSDで、1TBモデルのスペックは最大読込5,000MB/s、最大書込3,600MB/sとされる。
カスタマイズメニューでは容量違いや他のPCI Express 4.0対応SSDはもちろん、シーケンシャル読込最高12,400MB/sを誇る「T700」シリーズも選択可能。さらに最大4TBの2.5インチSSDなど、データ用のストレージも追加で組み込むことができる。
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NVMe M.2 SSD増設時のスロットはマザーボード背面側を利用することになる。標準ヒートシンクがないため、別途装着するなど自分なりのカスタマイズを施すのもありだ
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