ID-COOLING「IS-67-XT BLACK」外観デザインチェック
ここからはパッケージより本体を取り出して、IS-67-XT BLACKの外観をすみずみ眺めていこう。製品名が示す通りボディカラーはブラック色で、冷却ファンからヒートシンク、ヒートパイプに至るまで全てが黒色に統一されている。派手さは一切ないものの、マットブラックなCPUクーラーは自らの存在を打ち消し、PCケース内部で黙々と仕事をこなす。

あらためて外観を眺めてみると、デザインはロープロファイル設計のトップフロー型CPUクーラーそのもので、薄型の冷却ファンに薄型のヒートシンクを組み合わせ、貫通するヒートパイプが受熱ベースと接合されている格好。同一コンセプトのCPUクーラーがほぼ同じスタイルになるのは、限られたスペースという制約を考えれば、自然な成り行きと言えるだろう。
ロープロファイル設計のヒートシンク
まずはヒートシンクを観察していこう。ちなみにIS-67-XT BLACKの出荷時は、冷却ファンとヒートシンクはバラバラの状態で梱包されている。これには理由があって、マザーボードへの搭載時、ドライバーを通す穴を冷却ファンが覆い被さる格好になるため。「いずれ外すなら外しておこう」というワケだ。

ブラックに塗装されたヒートシンクは、放熱フィン、受熱ベースプレート、ヒートパイプの3つで構成されている。放熱フィンにだけ注目してみると、素材はアルミニウム製で、フィン枚数は61枚だった。

参考までに以前検証したロープロファイル型CPUクーラー、
Noctua「NH-L9x65 chromax.black」は、放熱フィン枚数が50枚。冷却ファンが92mmだけに120mmのIS-67-XT BLACKでは放熱フィンのスペースが広く確保されている事が分かる。

ヒートシンクのサイズは、縦が114mm、横が98mm。放熱フィンの内訳は、最も厚い部分(約33mm)で46枚、薄い部分(約11mm)で15枚だった。このように段差が設けられているのは、CPUソケット周辺のVRM用ヒートシンクを避けるため。

マザーボードを真上から見た際、120mmファンを採用するトップフロー型空冷クーラーは、その周辺を大きく覆うサイズになることから、メモリスロットだけでなく、VRM用ヒートシンクとの物理的な干渉も考慮する必要がある。この点を無視すると、マザーボードとの互換性が大きく損なわれるため、多くのロープロファイル型CPUクーラーの中でも、大型モデルではヒートシンクの設計にさまざまな工夫が施されている。