受熱ベースおよびヒートパイプ
CPUと直接接触する受熱ベースプレートの素材は銅製。放熱フィンとは異なり、熱伝導率を優先させている。受熱ベースのサイズは縦43mm、横40mmのやや長方形。プレートの厚さは実測で約10mmで、よく見るとヒートパイプを挟み込むため2枚のプレートで構成されている事が分かる。

ヒートパイプはφ6mmで、合計6本を使用。受熱ベースプレートの幅いっぱいに整列し、CPUから吸い上げた熱を放熱フィンへ拡散させる役割を果たしている。
さらにヒートパイプの"行き先”を追っていくと、3本は厚い部分(約33mm/枚)、3本は薄い部分(約11mm/15枚)にそれぞれ等間隔でヒートシンクに貫通。レイアウトを最適化することで、ヒートシンク全体に熱が行き渡るようになっている。

なお、受熱ベースプレートにネジ留めされたプレートは、リテンションへの固定用クロスバーで、両端にはバネネジが装着されている。ヒートシンクを真上から見ると、バネネジの頭部が露出するようにヒートシンクがカットされている事が分かる。
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ヒートシンクの上部には放熱フィンとは異なる金属製フレームを装着。四隅にネジ穴が設けられ、ここに120mmファンを固定する
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15mm厚の120mmファン
出荷時はジッパー袋に詰め込まれている120mmファン。厚さは15mmで、いかにもロープロファイル型CPUクーラー向けである事が分かる。製品資料を確認したところ型番は
「TF-12015-K」で、ID-COOLINGの製品サイトにはTFシリーズの汎用ファンとして掲載されている。

回転数は500~2,500rpm±10%(TF-12015-Kの製品サイトは500±200~2,200±10%rpm表記)、風量は67.58CFM、静圧は1.54mmH2Oで、軸受けにはHydraulic Bearing(油圧ベアリング)を採用。騒音値は最大で32.3dBAとされ、最大回転時でも耳に付くほどの数値ではないようだ。なお羽枚数は120mmファンの15mm厚では平均的な11枚で、ブレード表面に細工は施されていない。
コネクタは4pin(PWM)で、ケーブル長はコネクタ部を合わせて約300mmだった。またフレーム四隅にはアンチバイブレーション用のラバーが計8枚装着されている。