InnoGrit「IG5666」を搭載するPCI Express 5.0(x4)SSDの3兄弟
現在「T-FORCE」ブランドからは、合計4モデルのPCI Express 5.0(x4)接続NVMe M.2 SSDがラインナップされている。そのうち以前詳細検証をお届けした第1弾
「T-FORCE Z540」シリーズを除く3モデルでは、いずれもInnoGritのコンシューマ向けハイエンドコントローラ
「IG5666」が採用されている。
製造プロセスは12nmで、スループットは最大2,400MT/s、最大8chのNANDアクセスに対応。またDRAMキャッシュとSLCキャッシュの2種類のキャッシュ機能を備え、読込最大14,000MB/s、書込最大11,000MB/sというPCI Express 5.0(x4)インターフェイスの限界に近い転送速度が謳われている。さらに内部温度センサーに基づいてパフォーマンスを自動調整することで、さまざまなワークロードに適応できるように設計されているとのこと。
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Team「T-FORCE GE PRO 2TB」(型番:TM8FFS002T0C129)
実勢売価税込40,000円前後(発売中/なお価格はヒートシンクとのセットモデル)
製品情報(Team)
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そんなInnoGrit「IG5666」を搭載するSSDの中で、最も早く市場に投入された長兄モデルがハイエンド向けの
「T-FORCE GE PRO」シリーズ(以降:GEシリーズ)だ。容量ラインナップは1TB、2TB、4TB、8TBの4モデルで、国内では冷却ファン付きの高性能SSDクーラー
「T-FORCE Dark Air Flow I」とのセットモデルが販売されている。
ちなみに今回検証に使用する2TBモデルの公称スペックは、シーケンシャル読込最大14,000MB/s、書込最大11,800MB/s、書込耐久性1,200TBW、MTBFは170万時間とされ、書込についてはコントローラの公称値を上回る。実際にこの通りの性能が発揮できるのであればPCI Express 5.0(x4)SSDの中でも間違いなく最速クラスの製品と言っていいだろう。
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Team「T-FORCE GC PRO 2TB」(型番:TM8FFL002T0C129)
実勢売価税込33,000円前後(発売中)
製品情報(Team)
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続いて投入された次男坊がミドルレンジ向けの
「T-FORCE GC PRO」シリーズ(以降:GCシリーズ)だ。容量は2TBと4TBの2モデルがラインナップし、空冷クーラーが付属するモデルは用意されていない。
今回検証する2TBモデルの公称スペックは、シーケンシャル読込最大12,500MB/s、書込最大11,000MB/s、書込耐久性1,200TBW、MTBF160万時間で、PCI Express 5.0(x4)SSDが出始めた頃のいわゆる第1世代モデルに準ずる性能といったところだろうか。GEシリーズに比べると読込は約12%、書込は約8%の差がつけられているが、実際のパフォーマンスがどれほど違うのかは後半のテストセッションで明らかにしていく。
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Team「T-FORCE GA PRO 2TB」(型番:TM8FFJ002T0C129)
実勢売価税込27,000円前後(発売中)
製品情報(Team)
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市場への投入が最も遅かった末っ子がエントリークラスの
「T-FORCE GA PRO」シリーズ(以降:GAシリーズ)だ。容量ラインナップは1TB、2TB、4TB、8TBモデルの4モデルで、今回検証する2TBモデルのスペックはシーケンシャル読込最大10,000MB/s、書込最大8,500MB/s、書込耐久性1,200TBW、MTBF160万時間。上位の2モデルに比べると転送速度は控えめだが、その分価格もPCI Express 5.0(x4)SSDの中では最安クラスに抑えられている。
いずれもNANDフラッシュは3D TLCだが、担当者によれば「GE/GC/GA」シリーズそれぞれで特性の異なるNANDフラッシュを採用し、ファームウェアを最適化することでパフォーマンスを調整しているという。また製品にはTeamブランドおなじみの特許を取得した薄型グラフェンヒートシンクが付属し、5年間の製品保証が提供される。