応答速度を追求したSPDTスイッチの挙動と恩恵について
そしてメーカーが特にウリにしているという、オリジナルSPDTスイッチの挙動や恩恵についても触れておく必要があるでしょう。
通常(Normal Mode=SPDT設定をOFF)は“カチッ”というクリック音がした瞬間に入力される感覚なのですが、速度重視の「GX Speed Mode」の場合はクリック音がする前に入力が認識されます。時間にすればわずかながら、明確に速さの違いが体感できました。
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左右クリックの動作モードはソフトウェアのプルダウンメニューから選択できる
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ただ「XM2 8K」と「XM2w 4K」ともにポーリングレートが高く、Normal Modeでも十分なほど遅延が少ない点。さらにスイッチの構造的にもプリトラベルが短く上部と下部の接点距離も短いことから、劇的に応答速度が向上するわけではないと思います。
とは言え速度重視のモードながら、連続でクリックした際も誤作動やチャタリングの発生は一度もなし。仕組み的にもスイッチの作動が早くなるのは間違いないですから、応答速度を極限まで高めておきたい向きには、(デメリットもないため)このモードにしておいて損はないでしょう。
ちなみにわずかな違いとは言え、それによって差が出るのがゲーム。私はVALORANTやシージ エックスで使ってみたのですが、“置きエイム”をしている場所とは違うところから敵が出てきた場合などに瞬時にエイムを合わせる“フリックエイム”のように、速い反応とそれに応じたクリック応答速度が求められるタイトルです。
そうしたシチュエーションでは、高いポーリングレートと「GX Speed Mode」による超低遅延の恩恵をしっかり感じることができました。それでいて(上で触れているように)誤作動やチャタリングも起きませんでしたから、気兼ねなく安心して使えます。
なお「GX Safe Mode」は、応答速度の面ではNormal Modeと変わりありませんが、チャタリング等の作動不良がさらに発生しにくい仕組み。特にクリックの正確さが求められるゲームをプレイする場合に向いていそうですね。
思った以上に汎用性高し、性能向上で死角なしな秀作マウス
現在のEndgame Gearのラインナップにおいては大きめの手を想定したシリーズながら、そこは“XM形状”の元祖と言ったところ。浅めでも違和感なく握れるなど幅広いつかみ持ちをフォローし、技ありな側面形状からつまみ持ちにも対応。被せ持ち以外を広くカバーする形状はそのままに、第一線のスペックに進化したハイパフォーマンスモデルが「XM2 8K」と「XM2w 4K」だ。
ポーリングレートが有線の8Kおよびワイヤレス4Kにアップグレードされ、さらに超低遅延のスイッチを組み合わせている。特に究極の低遅延を追求した完全オリジナルのSPDTスイッチは、競合にないEndgame Gearならではのアドバンテージだろう。高いビルドクオリティやしっかりした剛性も優れた技術と素材に裏打ちされたもので、Endgame Gearらしいこだわりが詰まっている。
単なる見せかけだけのスペックではない完成度の高いゲーミングマウスとして、かなり幅広い層にオススメしたい最新モデル。比較的手頃な価格設定も相まって、コストパフォーマンスを重視するユーザーにもフィットしそうだ。
提供:株式会社アーキサイト