大型VRMヒートシンクや超長寿命コンデンサを備える電源回路
ここからは「B860 LiveMixer WiFi」の各部位や機能を個別にチェックしていこう。マザーボードの信頼性を支える電源回路は、60A Dr.MOSによる
12(VCORE)+1(VCCGT)+1(VCCSA)フェーズ構成。回路規模はハイエンド向けモデルに比べて控えめな印象だ。
しかしそれを構成するコンポーネントは特別なシロモノで、特に大手部品メーカーとの共同開発による
「20Kブラックコンデンサ」は要チェック。サイズこそ一般的なコンデンサと変わらないものの、静電容量が従来比約2倍に近い
1,000uFまで拡張されている。
105℃環境下でも2万時間動作するという、圧倒的な長寿命が特徴だ。
そのほか、片方がI/Oパネルまで拡張された2ブロック構成の大型VRMヒートシンクを搭載。補助電源コネクタには電力損失を軽減しつつ発熱を抑えた
「高密度電源コネクタ」が採用されている。
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高効率・低発熱な60A Dr.MOSによる12+1+1フェーズの電源回路を搭載
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静電容量1,000uFを誇る「20Kブラックコンデンサ」をはじめ、高耐久のコンポーネントを組み合わせている
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多層構造で放熱面積を稼ぐ形状が採用されたヒートシンク。特にCPUソケット左側のブロックはI/Oパネル側まで拡張されている
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PWMコントローラはMonolithic Power Systems「MP29005」
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補助電源コネクタは発熱しにくい「高密度電源コネクタ」を採用
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CPUソケットはLGA1851。レバーは跳ね返りでヒートシンクを傷つけないようにカバーが装着されている
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銅箔層を多く含むPCBを採用。裏面から見ると、メモリスロットやPCI Express 5.0拡張スロットが表面実装されていることが分かる
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ミドル向けチップセットの「Intel B860」を搭載
「B860 LiveMixer WiFi」が搭載するチップセットは、Core Ultra 200Sシリーズに対応するミドルレンジ向けチップの
「Intel B860」だ。上位のIntel Z890とは異なりCPUオーバークロックやPCI Expressのレーン分割には非対応なものの、ミドルユーザーには十分なスペックを備えている。ちなみにチップセットがサポートするUSBは合計12ポートのため、合計22ポートを搭載する「B860 LiveMixer WiFi」は別チップの実装によりかなりポート数が増強されているようだ。
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CPUとは4レーンのDMI 4.0で接続されている「Intel B860」。チップセットのPCI Expressレーン数は14、PCI Express 5.0構成はx16+x4に対応している
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厚みのあるチップセットヒートシンク。下段のM.2ヒートシンクと繋がるサウンドウェーブ風のデザインが施されている
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最大8,666MHz動作に対応するSMTプロセスのDDR5メモリスロット
メモリスロットは
最大8,666MHzに対応するDDR5×4構成で、最大256GB(64GB×4)を実装可能。高速な信号を安定して伝送できるように、従来からルーティングが短縮されたSMT(表面実装技術)で取り付けられている。また、メモリプロファイルはIntel XMP 3.0をサポート、手軽にオーバークロックメモリを運用可能だ。
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CPUソケット側からDDR5_A1/DDR5_A2/DR5_B1/DDR5_B2の順に実装されているメモリスロット。デュアルチャネル構成の場合はDDR5_A2/DDR5_B2の2スロットを使用する
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