PCIe 5.0対応SSDも不安なく運用できる多層構造のヒートシンク
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CPUソケット直下のスロットがPCI Express 5.0に対応。ツールレス脱着の専用ヒートシンクが装着されている
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「B860 LiveMixer WiFi」は最新のIntelプラットフォームに対応するだけでなく、SSDも最新のPCI Express 5.0対応モデルを運用可能だ。さらにPCI Express 5.0対応SSDはかなりシビアな冷却対策が要求されるところ、それに応えるために「Toolless Multi-Layer M.2 Heatsink」および「M.2ボトムヒートシンク」を組み合わせた、サンドイッチ構造の冷却装置を備えている。
はたして爆熱仕様のPCI Express 5.0対応SSDを問題なく冷却できるかどうか、ヒートシンクの冷却性能を「CrystalDiskMark 8.0.4」で検証してみよう。なお検証にあたっては、Team「T-FORCE Z540」シリーズの2TBモデル「TM8FF1002T0C129」を使用している。
【関連記事】最高12,400MB/sのPCIe 5.0 NVMe M.2 SSD、Team「T-FORCE CARDEA Z540」発売(2023.12.01 10:25 更新)
「TM8FF1002T0C129」の公称スペックは、シーケンシャル読込最大12,400MB/s、書込最大11,800MB/s、ランダム読込140万IOPS、書込140万IOPSとなっている。それを踏まえてベンチマーク結果を見ていくと、一部で公称値を上回るほどの十分な速度が出ているようだ。
さらに3回連続でベンチマークを実行した際の結果だが、グラフの波形にはほとんど崩れがなく、キレイにパフォーマンスを発揮できている。3回目の計測時に80℃にタッチするシーンがあり、その際に書込性能がやや低下したのみ。「B860 LiveMixer WiFi」が搭載するヒートシンクは、PCI Express 5.0対応SSDを日常的に運用するだけの十分な冷却性能を備えているようだ。
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アイドル時は最大35℃程度だが、高負荷時にはヒートシンクがしっかりと受熱、優れた放熱効果を発揮していることが分かる
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ちょうどいいスペックとたくさんのUSB、ヒットしそうな要素は十分
近年では珍しく多数のUSBポートをウリとして登場した「LiveMixer」シリーズは、先代のIntel 700シリーズ製品が第1世代にあたる。しかしIntelマザーボードの場合、標準装備であるThunderboltに帯域を確保する必要もあり、その上で十分なUSBポート数とそれを実現するコストとの兼ね合いから、第1世代ではミドルレンジ向けチップ搭載モデルの投入が見送られていた。
そうした経緯もあり、Intelのミドル向けチップを搭載する「LiveMixer」シリーズ製品を待っていたという人には、「B860 LiveMixer WiFi」はまさに待望のモデル。やや好みの分かれそうな奇抜なビジュアルも落ち着いたデザインに刷新され、クリエイターをはじめストリーマー以外のユーザーにとっても手に取りやすい存在になった。
ハイエンドCPUのパフォーマンスを引き出せる堅実な電源回路があり、ノンバイナリメモリによる大容量メモリ環境も構築可能と、シンプルに素性の良いマザーボードである点も魅力。PCI Express 5.0対応SSDを不安なく動かせる技ありサンドイッチ構造のヒートシンク、さらにイマドキな便利ギミックも要所で備えている。
10ギガビットLANやWi-Fi 7、過剰なM.2スロット数は不要というミドルユーザーにとって、まさにちょうどいいと感じるスペック構成。多数のUSB機器を安定して動かしたいという潜在的なニーズは多いはずで、万人受けする姿に変身した「LiveMixer」シリーズは、いまこそブレイクの時期を迎えているのかもしれない。
提供:ASRock Incorporation