ここからはCooler Master「MasterLiquid 360 Ion White Edition」を実際にPCに組み込み、冷却性能を確認していこう。まずはCCDが1基ながら、Ryzen 9000シリーズでは2番目にTDPが高いRyzen 7 9800X3Dから検証を進めていく。「MasterCTRL」のプリセットは初期設定の「スタンダード」、ストレステストは「OCCT 14.0.0:CPU」と「CINEBENCH 2024:30 minutes(Test Stability)」を使用し、CPU温度は「CPU (Tctl/Tdie)」の数値を採用している。また騒音値はデータログ機能を備えた騒音計アズワン「TM-103」をPCから30cmの距離に設置して計測した。
|
|
| TDPはRyzen 9 9900X/9900X3Dと同じ120Wだが、CCDが1基のため冷却のハードルはRyzen 7 9800X3Dのほうが高くなる | |
|
| RyzenシリーズではCPU Package温度の項目が無いため「CPU(Tctl/Tdie)」の温度をCPU温度として使用している |
まず「Cinebench 2024」の結果を確認するとPackage Powerは125W前後、CPU温度はおおむね75℃前後で推移し、まだ冷却性能には余力が残されている。またPackage Powerが140W前後まで上昇する「OCCT 14.0.0」でも86℃を超えることはなく、Ryzen 7 9800X3Dの発熱を完全に抑え込むことができる。
|
|
| ファンの回転数は「MasterCTRL」で制御するため、今回はテスト中のログの取得ができなかった | |
続いてRyzen 7 9800X3D動作時の騒音値を確認していこう。CPU温度が75℃前後で推移する「Cinebench 2024」では、ファンの回転数は「MasterCTRL」読みで2,000rpm前後、騒音値も40~41dBAの間で推移する。今回はオープンフレーム型PCケースでチェックを行っているため、風切音は聞こえるが、一般的なPCケースに入れてデスクの下に設置すれば全く気にならないだろう。
「OCCT 14.0.0」では、ファンの回転数2,300rpm前後、騒音値も43~44dBAへと上昇しており、「Cinebench 2024」に比べると明らかに風切音が大きくなっている。とは言え、50dBAを超えるものもあるオールインワン型水冷ユニットの中では風切音は控えめだ。