Core Ultra 9 285Kで冷却性能をチェック

最後は、現行のコンシューマ向けCPUでは最大級の消費電力を誇るCore Ultra 9 285Kを使って冷却性能をチェックしていこう。マザーボードの「Power Delivery Profile」は「Intel Default Mode」を選択し、CPU温度は「CPU Package」の数値を採用している。なおそれ以外はRyzen 7 9800X3DやRyzen 9 9950Xと全く同じ条件でテストを実施している。
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Processor Base Powerは125W、Maximum Turbo Powerは250WのCore Ultra 9 285K
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「Intel Default Mode」を選択したところ、PL1/PL2ともMaximum Turbo Powerの250Wに設定されていた
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Package Powerが225W前後で推移する「Cinebench 2024」では、CPU温度は
平均約74℃、最高温度も
84℃までしか上がらなかった。
そしてPackage PowerがPower Limitと同じ250W前後まで上昇する「OCCT 14.0.0」でも、CPU温度は
平均81℃、最高温度も
90℃で、CPUが許容する最高温度105℃までは15℃の余裕がある。Package Powerもほぼ全領域で安定しており、「MasterLiquid 360 Ion White Edition」ならCore Ultra 9 285Kの性能を最大限に引き出すことができる。
Core Ultra 9 285Kの騒音値

ファン回転数が
2,000rpm前後までしか上がらない「Cinebench 2024」では、騒音値はおおむね
40~43dBA。ファン回転数が
2,300rpm前後まで上昇する「OCCT 14.0.0」でもおおむね
41~44dBAで、テスト中一度も45dBAを超えることはなかった。CPUの温度にもまだ余裕があることから、「MasterCTRL」からより静音性を重視した「サイレント」モードを選択するのもありだろう。
総論:Cooler Masterだからできる自社設計によるAIO水冷クーラー
開発から設計、製造まで全てを
自社内で完結できるPCパーツメーカーは少数である事をご存じだろうか。著名な大手メーカーの製品が、他社製品と同一の工場内で別ラインにより製造されているケースは、意外に多い。製造や供給、コスト面でのあらゆる効率化はあって当然だろう。一方で今回紹介した MasterLiquid 360 Ion White Editionは、Gen-Xデュアルチャンバーポンプや高密度フィン構造のラジエーターといった自社設計を随所に取り入れており、冷却機器をルーツとするCooler Masterの技術力とプライドを強く感じさせる製品となっている。

そして肝心な冷却性能は、決してお買い得とは言えない売価を納得させる、ハイエンド志向の"高冷却ぶり”を発揮して見せた。高負荷状態では3基の120mmファンは最大で2,300rpmまで高回転域を維持し続けるが、決して耳障りではない動作音は、ファンブレードの外縁をリングでつないだMobius 120P ARGB White Editionの特性なのかもしれない。

編集部のテスト担当者からは、USB経由でソフトウェアにより冷却ファンの回転が制御されているため、「状況に応じたスムーズな回転変動が良く出来ている」というレポートが届いている。ライバルが多いAIO水冷クーラーの中でも、それぞれの製品が持つ特徴や背景を知ることで、製品選びのヒントになるかもしれない。そしてMasterLiquid 360 Ion White Editionには、多くの要素が詰め込まれていた。
提供:Cooler Master株式会社