メモリのオーバークロックを試す
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Intel XMP 3.0のプロファイルは「EZ Mode」の左上、もしくは「Advanced Mode」→「Overclocking」タブの「Extreme Memory Profile(XMP)」から設定可能
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Intel B860チップセットでは、CPUのオーバークロック機能は省略されている一方で、メモリのオーバークロックには対応する。さらに「B860M GAMING PLUS WIFI」では、「Memory Boost Technology」や「SMT」により、最大8,800MHzの高クロック動作が謳われている。そこで今回はKLEVV「KD5AGUA80-80D380G」を使用し、DDR5-8000の設定を試してみたが、OSの起動はもちろん、各種ベンチマークについても安定動作させることができた。Intel B860チップセットのマザーボードの中でもエントリークラスに位置づけられる製品だが、メモリ周りの最適化はかなり進んでいることが分かる。
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XMP 3.0のプロファイルを読み込むだけでDDR5-8000動作が可能。OSの起動はもちろん、各種ベンチマークの動作も問題なかった
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続いて「AIDA64 Cache & Memory Benchmark」を使ってオーバークロックメモリの影響を確認したところ、帯域幅は最も差が小さい「Write」でも約42%、最も差が大きい「Read」では約64%も向上した。さらにレイテンシは約半分に短縮され、高クロック化のメリットはかなり大きい事がわかる。
レンダリングベンチマーク「CINEBENCH」の結果を確認すると「CINEBENCH R15」「CINEBENCH R20」「CINEBENCH R23」ではいずれもCPUの影響が大きいようで、メモリクロックの違いによる差はほとんどない。ただし、「Cinebench 2024」では、シングルコアテストで約5%、マルチコアテストでは約9%高いスコアを記録した。最新のCinema 4Dを使用するならメモリクロックにもこだわったほうがいいだろう。
メモリの影響が大きい「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー」のベンチマーク結果も確認しておこう。今回は「グラフィックス設定」を「最⾼品質」にしているため、4K解像度ではGPUの負荷が高くほとんど差が出なかった。しかし、WQHD解像度では約2%、フルHD解像度では約7%の差が付き、GPUの負荷が軽くなるにつれてメモリクロックの影響が大きくなる。
モンスターハンターシリーズ最新作「モンスターハンターワイルズ」のベンチマーク結果を確認していこう。「グラフィックプリセット」は「ウルトラ」、「アップスケーリング」は「NVIDIA DLSS」、「フレーム生成」は「ON」、「アップスケーリングモード」は「クオリティ」の設定で検証を行っているが、やはり4K解像度ではほとんど差が出なかった。しかし、WQHD解像度では約3%、フルHD解像度では約6%に差が広がり、やはりGPUの負荷が軽くなるにつれてメモリクロックの影響が大きくなる。
このことから、ゲームでも解像度や画質よりフレームレートを重視するなら、グラフィックスカードはもちろん、メモリについても予算が許す限り高クロック、低レイテンシなものを用意したい。