ベンチマークテスト:消費電力
ゲームのベンチマークが一段落したところで、消費電力をチェックしておこう。アイドル時は起動直後10分間放置した際の最低値を、高負荷時は「3DMark:Steel Nomad Stress Test」実行時の最高値を採用した。
アイドル時の消費電力はいずれも省電力機能が有効になるため横並び。またここまで多くのゲームで良好なパフォーマンスを発揮した「Radeon RX 9070 GAMING OC 16G」だが、今回検証した4モデルの中では最も消費電力が低くなった。補助電源コネクタも8pin×2のため、GeForce RTX 30シリーズからの換装を検討している場合でも、変換コネクタを使うことなく電源ユニットを流用できる。さらに以前検証した
Radeon RX 9070 XTとの比較では150W以上も低く、システム構成の違いを考慮しても消費電力の差は明らかだ。
WINDFORCE冷却システムの実力をチェック
テストセッションのラストは、GIGABYTEのオリジナルトリプルファンクーラー「WINDFORCE冷却システム」の実力を確認していこう。「デュアルBIOS」は「PERFORMANCE」と「SILENT」の2種類のモードで確認している。
まず「PERFORMANCE」設定の結果を確認すると、ファンの回転数は
1,350rpm前後、回転率は
27%前後にも関わらず、GPU温度は
最高58℃、Hot Spotの温度も
最高75℃で、冷却性能には全く問題がなかった。
続いて「SILENT」の結果を確認すると、ファン回転数は
1,150rpm前後へと約200rpm低下した。それでもGPU温度は
最高65℃、Hot Spotの温度も
最高82℃で頭打ち。「PERFORMANCE」でもCPUクーラー(オールインワン型水冷ユニット)のファンの風切音のほうが大きい状態だったが、静音性を追求するなら「SILENT」での動作を検討するといいだろう。
4K解像度でも快適なゲーム性能を省電力・低価格に提供するアッパーミドル
今回はRadeon RX 9070 XTに比べるとやや影が薄いと思われがちな、Radeon RX 9070を搭載したGIGABYTE「Radeon RX 9070 GAMING OC 16G」の検証を進めてきた。結果的に判明したのは「3DMark:DirectX Raytracing feature test」や「Cyberpunk 2077:Phantom Liberty」の「レイトレーシング:オーバードライブ」設定など、フルレイトレーシング描画はやや苦手としており、Radeon RX 9070 XTや、ライバルとなるGeForce RTX 5070/4070 Tiに差をつけられている。
ただし、ラスタライズとレイトレーシングを併用するゲームや、ラスタライズのみで描画を行うゲームでは良好なパフォーマンスを発揮した。特に「モンスターハンターワイルズ」や「アサシン クリード シャドウズ」のような、最新の重量級ゲームでは16GBの大容量メモリが有効に働き、ライバルを圧倒。WQHD解像度はもちろん、4K解像度でも高画質設定で快適にゲームを楽しむことができる。
そしてブーストクロックが定格+180MHzという高クロックモデルにも関わらず、消費電力が控えめなのも大きな特徴と言える。アッパーミドルのグラフィックスカードの中では間違いなくワットパフォーマンスはトップクラスだろう。さらにRadeon RX 9070 XTに比べて販売価格も10,000円以上安価なことから、コストを抑えつつ最新ゲームを高画質設定で楽しみたいというニーズにしっかりと応えてくれる製品ではないだろうか。
提供:GIGABYTE TECHNOLOGY