ベンチマークテスト:消費電力
ゲーム関連のベンチマークが一段落したところで、消費電力をチェックしておこう。アイドル時は起動直後10分間放置した際の最低値を、高負荷時はストレステスト「3DMark:Steel Nomad Stress test」実行時の最高値を採用した。
高負荷時の消費電力はいずれのグラフィックスカードでも300W前後で、ミドルレンジモデルらしく電源ユニットへの負荷はそれほど大きくない。また先代モデルとのパフォーマンスが最低でも20%以上、フルレイトレーシング環境では2倍以上も向上していることを考えるとRadeon RX 9060 XTのワットパフォーマンスはかなり優秀だ。
「WINDFORCE冷却システム」の冷却性能をチェック
テストセッションのラストは、GIGABYTE「Radeon RX 9060 XT GAMING OC 16G」に実装されているオリジナルトリプルファンクーラー「WINDFORCE冷却システム」の実力を確認していこう。なおストレステストには「3DMark:Steel Nomad Stress Test」を使用している。
高負荷時でもファンの回転数は1,750rpm前後、回転率は最大38%までしか上がらず、オープンフレームケースでのテストでも風切音は全く気ならない。またGPUの温度は最高57℃、HotSpot温度も最高76℃で頭打ちになり、冷却性能にもまだまだ余力が残されている。
前世代から買い替え推奨。ミドルレンジの定番になり得るGPU
上位モデルのRadeon RX 9070シリーズの出来の良さから、ミドルレンジモデルであるRadeon RX 9060 XTの登場を心待ちにしていた人は多いのではないだろうか。かく言う筆者もその一人だが、先代モデルからはラスタライズ系ゲームでも20~50%、レイトレーシングを使用するゲームでは2倍以上も上回るものもあるなど、前世代からのアップグレードを検討している人にとっては、まさに期待を裏切らないパフォーマンスを発揮する。
直接のライバルになるGeForce RTX 5060 Tiに対しても、ゲームによって得手不得手はあるものの概ね同等。ディスプレイ出力が3ポートに制限されること、そしてフルレイトレーシング環境にやや弱い点は気になるものの、それ以外に目立った欠点は見当たらない。
また原稿執筆時点で国内価格は判明していないが、16GBモデルが349ドル、8GBが299ドルという北米価格を考慮すればGeForce RTX 5060 Tiよりおそらく安価になるだろう。コストパフォーマンスにも期待ができるRadeon RX 9060 XTは、今後ミドルレンジグラフィックスカードの定番になるポテンシャルを備えた製品だ。
協力:AMD