Cooler Masterの空冷クーラーと、これまでのエルミタ
エルミタでCooler Master製の空冷クーラーを取り上げるのは、なんと2023年12月の
「MASTERAIR MA824 Stealth」以来。振り返れば、その前は2021年9月の
「MasterAir MA624 Stealth」、さらにさかのぼると2016年7月の
「MasterAir Maker 8」と、思いのほか掲載機会は少なかった。
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Cooler Masterの空冷クーラーでは最後の検証だった「MASTERAIR MA824 Stealth」。発売当時(2023年11月2日発売)の市場想定売価は税込23,280円だが、のちに価格改定により市場想定売価税込16,980円で販売されている
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MasterAir MA624 Stealth
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MasterAir Maker 8
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いずれも
「MasterAir」シリーズだった一方で、今回スポットを当てるのは
「Hyper」シリーズ。実は「速攻撮って出しレビュー」ではこれが初登場というから少々意外に思う読者も少なくないだろう。そもそもCooler Masterが冷却機器専門メーカーであった事はご存じの通りで、「Hyper」シリーズにも過去に多くのヒット作がある。にもかかわらず、これまで取り上げる機会がなかったのは、ただ単に“縁がなかった”というほかない。
とはいえ、過去モデルとの比較に頼らず、まっさらな目線で評価できるのはある意味メリットだ。ということで、先入観抜きにじっくりと検証していこう。
出足好調なCooler Master「Hyper 612 APEX」
今回取り上げる
「Hyper 612 APEX」(型番:MAP-T6PN-225PK-R1)は、2025年5月16日より国内市場での販売がスタート。Hyperシリーズの新作とあって注目度も高く、執筆時点でデビュー1ヶ月が経過してところで好調な売れ行きと聞く。
「Hyper」シリーズの代名詞といえば、やはり「Hyper 212」だろう。中でも自作PCはもちろん、組み込み用途などにも広く採用された「Hyper 212 Plus」が登場したのは2009年。当時の実売価格は税込でおよそ5,000円だったことを思えば、今回の「Hyper 612 APEX」は税込10,980円と、なかなかリッチだが、グローバル市場で再びヒットを狙う意欲作であることは間違いない。
スペック表に見るCooler Master「Hyper 612 APEX」
実機に触れる前にスペック表から「Hyper 612 APEX」の」概要を確認しておこう。対応ソケットはIntel LGA 1851/1700/1200/115xと、AMD Socket AM5/AM4で、コンシューマ向け現行CPUの全てをフォローしている。

搭載ファンは120mmが2基で、エアフロー性能の吸排気を強化。敢えてLEDは非搭載とし、本格的な冷却重視型CPUクーラーである事が主張されている。また冷却ファンを含めた外形寸法は幅114mm、奥行き127mm、高さ159mmで、Cooler Master曰く「ほぼすべてのミドルタワーPCケースに対応する」ことがアピールされている。
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パッケージはお馴染みの"Cooler Masterカラー”。サイズは実測で幅約190mm、奥行き約165mm、高さ約225mmで、側面には詳細なスペック表がプリントされていた
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