ベンチマークテスト:Cyberpunk 2077:Phantom Liberty
ゲーム系検証を締めくくるのは、オープンワールド型アクションRPG「Cyberpunk 2077:Phantom Liberty」のゲーム内ベンチマークテスト。クイックプリセットを「レイトレーシング:オーバードライブ」、解像度スケーリングは「AMD FFX Super Resolution 3」、AMD FFX Super Resolution 3は「バランス」に設定。解像度はこれまで同様にフルHD/WQHD/4Kの3パターンを選択している。
レイトレーシングが効いたヘビー級の設定ながら、Radeon RX 9060 XTの16GB版はRadeon RX 7600 XTとの比較でも2倍以上の平均fpsをマーク。従来のミドルレンジ向けRadeonではプレイが難しかったタイトルでも、十分に快適なプレイが楽しめるようになった。
その一方で、現状のドライバではVRAM使用量の大きい環境での最適化に問題を抱えているのか、WQHD以上の解像度において8GB版での計測ができなかった(今後改善される予定とのこと)。同様の環境で8GB版がどこまで戦えるのかについては、今後のドライバの熟成も影響してきそうだ。
驚くほど静かなトリプルファン設計の大型クーラー
各種パフォーマンス検証が一段落したところで、「RX9060XT SL 16GO」および「RX9060XT SL 8GO」の自慢の機能である、トリプルファン設計の大型クーラーの冷却性能をチェックしよう。なお、ストレステストには「3DMark:Steel Nomad Stress Test」を使用した。
|
|
「RX9060XT SL 16GO」のGPU・メモリ温度/ファン回転数
|
|
|
「RX9060XT SL 8GO」のGPU・メモリ温度/ファン回転数
|
いずれもGPU温度は50℃台半ばに抑えられており、冷却性能は極めて優秀だ。ファン回転数も十分すぎるほど余裕があり、熱暴走の心配はまったくない。さらに動作音も最大約37dBAに留まっていることから、PCケースに組み込んでしまえばアイドル時と高負荷時の違いも判別できないだろう。
なお、動作クロックなどの基本スペックが同等なことから、16GB版と8GB版の間で違いはほとんどなかった。
「RX9060XT SL 16GO/8GO」の消費電力
テストセッションの最後は「RX9060XT SL 16GO」および「RX9060XT SL 8GO」の消費電力をチェックする。ストレステスト「3DMark:Steel Nomad Stress test」実行時の最高値を高負荷時、起動後10分間放置した際の最低値をアイドル時として、ワットチェッカーで計測を行った。
高負荷時でも消費電力は300Wをやや上回る程度で、電源ユニットへの負荷はあまり気にならない。推奨電源容量は550Wとされているほか、補助電源コネクタも従来からの8pinを使用するため、これまでの電源ユニットをそのまま使い回すことができる。
高冷却&静粛なRadeon RX 9060 XTグラフィックスカードの注目モデル
ラスタライズ性能およびレイトレーシング性能ともに前世代GPUを大きく上回るRadeon RX 9060 XTは、ミドルゲーマーのアップグレードパスとしてかなり魅力的な存在だ。レイトレーシングを用いたゲームでは2倍以上のパフォーマンスを発揮する場合があるなど、確実に実感できるレベルで性能の上積みがある。
その一方で、ビデオメモリ16GB版と8GB版のどちらを手に取るべきかについては、ユーザー自身のプレイ傾向に依存する。モンスターハンターワイルズのように、VRAM使用量があふれてしまうゲームの場合は大きくパフォーマンスで水を開けられてしまうものの、ビデオメモリの範囲内であれば同等の性能を発揮できる。プレイ環境次第では、1万円ほどの価格差がある8GB版をチョイスするのも十分アリだろう。
そしてRadeon RX 9060 XTグラフィックスカードには2スロット仕様やショートモデルも多く存在する中で、今回検証を行った「RX9060XT SL 16GO/8GO」はだいぶ大きめな部類に入る。
サイズを犠牲にして3連ファンクーラーによる冷却性能をとった製品とあって、GPU温度を低温に抑え込みつつ、動作音は驚くほど静か。静音性を重視しつつ、安定したパフォーマンスを求めるユーザーにピッタリな1枚と言える。
提供:ASRock Incorporation