メモリ16GBと8GBの違いは?旧世代と合わせて比較するRadeon RX 9060 XTのパフォーマンス
ここからは、実際に「RX9060XT SL 16GO」をシステムに組み込んでのパフォーマンス検証に移っていこう。検証環境のCPUには、AMDのハイエンドモデルRyzen 9 9950X、マザーボードには
ASRock「X870E Taichi」を使用している。
また、同時に発売されたビデオメモリ8GBモデルの
「ASRock AMD Radeon RX 9060 XT Steel Legend 8GB OC」(以下「RX9060XT SL 8GO」)も合わせて計測。検証環境が同一ではないものの、
Radeon RX 9060 XT解禁レビュー時に計測したRadeon RX 7600 XTおよびRadeon RX 7600のデータを流用しつつ、世代間のパフォーマンスを比較してみることにした。
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「RX9060XT SL 16GO」の挙動をGPU-Zでチェック。公称クロックは最大3,320MHzのところ、フルロード時は3,360MHzで動作していた
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ビデオメモリ16GB版だけでなく、8GB版も合わせて比較検証を行う
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ビデオメモリ8GB版の「RX9060XT SL 8GO」は16GB版よりやや軽く、実測での重量は931.5gだった
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「RX9060XT SL 8GO」の動作クロックは16GB版と同等の最大3,320MHz。クロックは温度環境や負荷状況によって変化するため、ベンチマーク中は3,030MHz前後で動作している時もあった
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ベンチマークテスト:3DMark:Speed Way
まずは3Dベンチマークテストの定番である「3DMark」から検証を進めていこう。トップバッターはDirectX 12 Ultimateに対応する「Speed Way」。レイトレーシングやメッシュシェーダー、可変レートシェーディングなど最新技術を用いた重量級テストにおける、Radeon RX 9060 XTのパフォーマンスをチェックする。
前世代のRadeon RX 7600 XT/Radeon RX 7600との比較では40%以上もスコアが向上しており、これまでやや苦手としていたDirectX 12 Ultimate環境のパフォーマンスは大きく改善している。とは言えフレームレートは30fps前後であり、同等の負荷がかかるゲームタイトルの場合は、アップスケーリング技術を利用してパフォーマンスを底上げしたいところだ。
なお、ビデオメモリの違いはほぼベンチマークに影響がなく、16GBと8GBモデル間のパフォーマンスは誤差の範囲だった。
ベンチマークテスト:3DMark:Port Royal
続いては、昨今のゲームタイトルにおいて欠かせない処理の一つになってるレイトレーシング性能を「3DMark」の「Port Royal」を使用して検証する。影や反射の処理にレイトレーシングを利用するDirectX Raytracing向けテストだ。
Radeon RX 9060 XTには第3世代レイアクセラレータが統合されており、前世代からレイトレーシング性能が大きく向上。前世代GPUを60%も上回るスコアをマークした。ベンチマーク中のフレームレートも45fps前後とまずまずで、レイトレーシングを用いた実際のゲームでも十分なパフォーマンスが期待できる。なお、こちらも16GB版と8GB版でベンチマークスコアに大きな差はつかなかった。
ベンチマークテスト:3DMark:DirectX Raytracing feature test
次はより突っ込んだレイトレーシング性能の検証を行うため、「3DMark」の「DirectX Raytracing feature test」を実行した。影や反射などの処理に限定されていた「Port Royal」とは異なり、全シーンをレイトレーシングで描画するテストのため、純粋なレイトレーシング性能を見ることができる。
Radeon RX 9060 XTのレイトレーシング性能向上は確かなもので、前世代から70%程度の改善を見せている。16GB版と8GB版でほぼ違いが出なかった点もこれまでのテスト傾向と同様だ。フレームレートはシングルプレイなら遊べなくはない30fps台半ば、より滑らかなゲームプレイを望むならアップスケーリング技術を利用したい。