ベンチマークテスト:3D Mark
次は「Lunar Lake」世代で強化された内蔵GPUの性能をチェックしていこう。まずは定番の「3D Mark」から実行した。テストプリセットはDirectX 12ベースの「Steel Nomad Light」(テスト解像度2,560×1,440ドット)と、少し前のゲームに使われているDirect X11ベースの「Fire Strike」(1,920×1,080ドット)を実行し、評価サンプルのディスプレイ解像度に近づけたテストでDirectX 12とDirectX 11ベースのものを実施している。
GPUはCPU内蔵の「Intel Arc Graphics 140V」だが、「Steel Nomad Light」では高いスコアとはいえず、「AI Engine」では3,107、「究極のパフォーマンス」では3,305、フレームレートはどちらも20fps台となっていた。
「Fire Strike」では、「AI Engine」は総合スコア7,034/グラフィックスコア7,978、「究極のパフォーマンス」では総合スコア8,797/グラフィックスコア9,671、フレームレートはどちらも30fps台だった。
テスト結果は、現世代のディスクリートGPUに比べて高いスコアというわけではないものの、競合の内蔵GPUである「Radeon 890M」相当のパフォーマンスを発揮している。また、2019年に登場したエントリーゲーマー向けグラフィックスカード「GeForce GTX 1650」相当のパフォーマンスを内蔵GPUで実現したと考えると十分な進化を感じられるはずだ。どちらのテストにおいても、「究極のパフォーマンス」の方が高いスコアを示しており、こちらを選択するのがベストだ。
ベンチマークテスト:ファイナルファンタジーXIV:黄金のレガシー
実際のゲーミング性能も確認していこう。まずは「ファイナルファンタジーXIV」をテスト。こでは公式ベンチマークとなる「ファイナルファンタジーXIV:黄金のレガシー ベンチマーク」を、グラフィックス品質“標準品質(ノートPC)”、“グラフィックスアップスケールタイプ: AMD FSR (FidelityFX Super Resolution)”、“適用するフレームレートのしきい値: 60fpsを下回った時に適用”に設定。解像度は評価サンプルのディスプレイにあわせた1,920×1,200ドットで実行した。
テスト結果は、“快適”の指標となる8,000ポイントを超え、平均fpsは58~59fpsとどちらのプロファイルを選んでも大きな差はない。いずれの場合でも、ライトにプレイする分には問題ないレベル。3DMarkのテストほど「AI Engine」との大きな差は出ていないが、僅かながら「究極のパフォーマンス」の方が高く、ACアダプターに接続できる環境であれば「究極のパフォーマンス」を選択する方が無難といえる。
ベンチマークテスト:ドラゴンクエストX
次のタイトルは軽量級オンラインゲームの定番「ドラゴンクエストX」をテスト。グラフィック設定は最高品質、解像度は1,920×1,080ドットのフルスクリーンで、評価サンプルのディスプレイに近い解像度を選択した。
結果は“とても快適”となり、それぞれのスコアが「AI Engine」で14,788、「究極のパフォーマンス」で18,162と、「究極のパフォーマンス」プロファイルの方が有意に高い結果となった。軽量級のゲームタイトルなので、どちらにおいても快適にプレイは可能ではあるが、やはりゲームにおいては「究極のパフォーマンス」を選択する方が良い。
ベンチマークテスト:モンスターハンターワイルズ
ゲームには「究極のパフォーマンス」の方が良いということがわかったところで、超重量級かつ話題のゲームである「モンスターハンターワイルズ」が果たして動作が可能なのか、テストをしてみることとした。今回はそもそも本機でプレイができるかという点に焦点を当て、プロファイルは「究極のパフォーマンス」に設定した上で、「グラフィックプリセット」を「最低」、「アップスケーリング」および「フレーム生成」を「ON」、解像度は評価サンプルのディスプレイにあわせた1,920×1,200ドットで実行した。なお、「アップスケーリング」ではIntel製GPUにあわせた「Intel XeSS」があるのだが、内蔵GPUの「Intel Arc Graphics 140V」では使用できず「AMD FSR」が自動で選択されている。
テスト結果は“動作困難”を示し、やはり超重量級のゲームタイトルの動作は難しい結果となった。モンスターハンターワイルズのSteamにおける最低システム要件のGPUは「GeForce GTX 1660」または「Radeon RX 5500 XT」であり、仮に本機にノートPC向けのディスクリートGPU「GeForce RTX 2050 Laptop GPU」が搭載されていても動作は難しい結果となっただろう。