「PANORAMA 360 ARGB」をPCに組み込み実動チェック
「PANORAMA 360 ARGB」をPCに取り付け実動チェックを進めていこう。なお今回は、実環境での動作を想定して「PANORAMA 360 ARGB」シリーズと同時に国内発売が開始された
TRYX「LUCA L70 White」に組み込んだ状態でテストを行った。
TRYX「LUCA L70 White」について簡単に紹介をしておくと、フロントと左サイドに4mm厚の強化ガラスを採用したピラーレスデザインのPCケース。視界を遮るものがないため大型のディスプレイを搭載する「PANORAMA 360 ARGB」とは相性がいい。またフロントパネルはヒンジ式、両サイドパネルもツールレスで着脱できるためケース内部にも簡単にアクセスできる。
さらに底面部分はシャーシを40mm持ち上げるX字型のベースを搭載。底面部分からの吸気能力を強化するとともに、PCケースが浮き上がっているかのような視覚効果を生み出している。なおカラーはホワイトに加えてブラックの2色がラインナップする。
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今回はいつものベンチマーク台ではなく、TRYX「LUCA L70 White」に組み込んだ状態で検証を実施した。実際にPCケースに組み込んだ状態でもL字型のAMOLEDディスプレイは存在感がある
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オールインワン型水冷ユニットでは最大級となる6.5型のL字型ディスプレイだが、色再現性に優れ、高コントラストなAMOLEDを採用するため発色は良好だった。さらに2,240×1,080ドットの高解像度に対応しているため、近くに寄って確認してもシャギーは全くわからず、ハイエンドスマートフォンのような美しい映像表現を可能にしている。
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液晶に比べて、色再現性に優れ、高コントラストなAMOLEDを使用しているため発色は美しい
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黒色の表現に優れているのもAMOLEDディスプレイの特徴。さらに文字などを近くで確認してもシャギーは全くわからなかった
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またディスプレイを表示した状態で、「タスク マネージャー」でシステムの負荷を確認してみたが「PANORAMA 360 ARGB」シリーズには、専用CPUやメモリ、ストレージが実装されているためほとんど負荷なく動作していることが確認できた。
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ディスプレイを表示した状態で10分間ほど放置していたが、負荷が急激に上がるようなことはなかった
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Ryzen 9 9950Xを使い冷却性能をチェック
ここからは、実際の冷却性能を確認していこう。まずはRyzen 9000シリーズでは最もTDPが高いRyzen 9 9950Xから検証を進めていく。ストレステストは「OCCT 14.0.11:CPU」と「CINEBENCH 2024:30 minutes(Test Stability)」を使用し、CPU温度は「CPU (Tctl/Tdie)」の数値を採用している。なお騒音値はデータログ機能を備えた騒音計アズワン「TM-103」をPCから30cmの距離に設置して計測した。
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16コア/32スレッドに対応するRyzen 9 9950X。TDPはRyzen 9000シリーズの中で最も高い170Wに設定されている
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「Cinebench 2024」の結果を確認するとPackage Powerは200W前後まで上昇するが、CPU温度はおおむね77℃前後で頭打ちになり、冷却性能にはまだかなり余力が残されている。また「OCCT 14.0.11」でもCPU温度はおおむね80℃以下、テスト終盤で負荷が上昇する場合でも85℃までしか上がらず、Ryzen 9 9950Xならブースト状態でも完全にその発熱を抑え込むことができる。
Ryzen 9 9950Xの騒音値
続いてファン回転数と騒音値を確認していこう。CPU温度が80℃以下で推移する「Cinebench 2024」では、ファンの回転数は1,400rpm前後、ノイズレベルも37dBA前後で、風切音はほとんど気にならない。またテストの終盤でファンの回転数が1,800rpm強まで上昇する「OCCT 14.0.0」でも、ノイズレベルは44dBA前後。確実に風切音はするものの、耳障りに感じるほどではなかった。