Core Ultra 9 285Kの「ASRock Extreme Mode」で冷却性能チェック
Core Ultra 9 285Kの「Intel Default Mode」設定に対しても十分な冷却性能を発揮した「PANORAMA 360 ARGB」。そこでPower Limitが実質無制限になる「ASRock Extreme Mode」に設定した状態でも冷却性能を確認してみることにした。
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「ASRock Extreme Mode」を選択するとPawer LimitはPL1/PL2とも実質無制限となる4,095Wに設定される
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まず「Cinebench 2024」の結果を確認すると、Package PowerはIntelから約25W上昇し、225W前後で推移する。しかし、CPU温度は平均約75℃、最高81℃で、未だに十分余力が残されている。続いて「OCCT 14.0.11」の結果を確認するとPackage Powerは最大360W前後まで上昇する。さすがにCPU温度はCPUが許容する105℃前後まで上昇するが、CPUクロックやPackage Powerが大幅に低下することはなく、サーマルスロットリングと思われる症状は発生していない。このことからこの辺りが「PANORAMA 360 ARGB」の冷却性能の限界になるようだ。
Core Ultra 9 285Kの「ASRock Extreme Mode」の騒音値
ファン回転数がいずれも最高回転の1,850rpm前後で、騒音値は43~44dBAで推移する。
MOSFET温度をチェック
「PANORAMA 360 ARGB」のウォーターブロック部分には、周辺回路を冷却するための60mmファンが搭載されている。そこで、テストセッションのラストは電源回路のMOSFET温度をチェックしていこう。ストレステストはCore Ultra 9 285Kを「ASRock Extreme Mode」にした状態で、「OCCT 14.0.11」を実行した。なおマザーボードに標準装備されているVRM冷却用のファンはOFFにしている。
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アイドル時のサーモグラフィ
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負荷時のサーモグラフィ
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Package Powerが最大360Wを超える電源回路にはかなり過酷な条件にも関わらず、MOSFET温度は最高でも64.5℃で、冷却ファンの効果は大きいことが分かる。ハイエンドCPUの性能を限界まで引き出すような用途でも、「PANORAMA 360 ARGB」ならCPUだけでなくマザーボードもしっかりと冷やすことができる。
湾曲ディスプレイの先駆けとなるオールインワン型水冷ユニット
今年のCOMPUTEX TAIPEI 2025では、多くのメーカーで大型ディスプレイやL字型の湾曲ディスプレイを搭載したオールインワン型水冷ユニットのプロトタイプを展示しており、ハイエンドモデルを中心におそらく今後のトレンドになるだろう。
そんなトレンドをいち早く取り入れ、製品化したのが今回の主役であるTRYX「PANORAMA」シリーズだ。6.5型という大型サイズの湾曲ディスプレイは実際にチェックしていてもかなりインパクトがある。さらに発色のよいAMOLEDを採用したことで、ハイエンドスマートフォンのような美しい映像を楽しむことができるのも大きなメリットだ。
もちろんハイエンドモデルらしく冷却性能も優秀。VRMファンを搭載するため、ディスプレイの向きを変えられないのはやや残念なところだが、そのおかげでオールインワン型水冷ユニットの欠点だった電源周りの冷却問題も解消されている。
5万円を超える価格はオールインワン型水冷ユニットとしては高価だが、L字型の大型AMOLEDディスプレイによる独特なビジュアルや、高い冷却性能に魅力を感じるユーザーにとっては検討する価値がある製品だ。
提供:CFD販売株式会社
TRYX