コンセプトは「旅行に持ち運べる小型PCケース」だけど
Thermaltake Technology(本社:台湾)ブースレポートの2本目は、コンパクトなMini-ITXケースの新製品。メインカラーは季節を感じさせる"Hydrangea Blue(紫陽花)”で、モデル名を
「Travel PC TR100」という。そのストレートな製品名が実に楽しそう。

製品のコンセプトを聞くと、やはりネーミングから想像できる"持ち運べるPC”。そのむかし「LAN party」というキーワードが自作PC市場で盛んに使われるようになった頃、ハンドル付きPCケースが多数販売された。"おかもち”とも揶揄されたスタイルは実用的ながら、実際にこれを便利に使ったという声はあまり聞かれず。正確な事は分からないが、現在ではほとんどが流通していない。
一方でThermaltakeの「Travel PC」は、"旅のお供”といった様相。そのコンセプトを明確にするオプション品に、スーツケース風のトラベルケースを用意。VRゴーグルやキーボード&マウス、さらにポータブルディスプレイを詰め込み、これを片手にぶら下げて気ままに旅に出掛けられる。LAN partyの戦闘モードとは大きく異なることは、なんとなくご理解頂けるだろう。
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オプションとして用意されるトラベルケース。精密機器用だけに、内部にはクッションが用意されている。なおVRゴーグルを持ち運べば、ポータブルディスプレイは不要といった割り切りは無さそう
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Thermaltakeのアプローチは理解できるし、そんなPCがあってもイイ。一方で国内代理店の株式会社アスク担当者によると、あくまで"高性能なPCが構築できるMini-ITXケース”という見解で、オプション品の流通も怪しげな状況。こればかりは静観するしかなさそうだ。
この際ネーミングはともかく新型小型筐体として見て行くと、対応マザーボードはMini-ITXで、電源ユニットはSFX規格に対応。天板に装着できるラジエーターは最大280mmサイズで、展示機にはオールインワン型水冷ユニットが搭載されていた。
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SFX規格の電源ユニットとマザーボード、ラジエーターの位置関係。「収まるところに収まった」といった感じ
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グラフィックスカードは長さ360mmまでの3スロットモデルまでサポート。ライザーケーブルによる垂直マウントで、VGAクーラーと正対する左サイドパネルには(右サイドパネルにも)通気孔が設けられている。
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ほぼグラフィックスカード専用に割り当てられた左側面。つまり「Travel PC TR100」は狭いながらもデュアルチャンバー設計である事が分かる
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多くの面で通気孔が目に付く。さすがに内部容積が限られた筐体だけに、熱対策についてはこの手のPCケース共通の悩みとなりそう
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なお発売については、2024年の第4四半期を予定。例によって国内市場での展開もグローバル市場のスケジュール次第といったところ。参考までに現時点の想定売価は109.99ドルだという。ボディカラーは紫陽花色の他に、ブラックとホワイトの2色が確定している。
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展示サンプルのフロント上段に装着されているのは、お馴染み「3.9 inch LCD Screen Kit」。こちらはオプション扱いになるという
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