ベンチマークテスト:消費電力
ゲーム関連のベンチマークが一段落したところで、消費電力をチェックしておこう。アイドル時は起動直後10分間放置した際の最低値を、高負荷時はストレステスト「3DMark:Steel Nomad Stress test」実行時の最高値を採用した。
GeForce RTX 5060 Tiの公称TGPは180Wで、GeForce RTX 4060 Ti 8GBの公称TGP160Wから20W増加している。しかし、今回のテストではその差は約4Wでほとんど誤差の範囲。さらにGeForce RTX 5070よりは約120Wも低く、省電力性能は優秀だ。オーバークロックモデルではもう少し消費電力が増えるだろうが、電源ユニットについてはNVIDIAが推奨している600W以上の製品を用意してやれば問題ないだろう。
2スロット占有オリジナルトリプルファンクーラー冷却性能をチェック
テストセッションのラストは、Palit「GeForce RTX 5060 Ti 16GB Infinity 3」に実装されている2スロット占有のオリジナルトリプルファンクーラーの実力を確認していこう。なおストレステストには「3DMark:Steel Nomad Stress Test」を使用している。
GPUの温度は最高65.1℃、メモリ温度も最高72℃までしか上がらなかった。またファンの回転数は最高約1,450rpm、回転率は35%前後で、オープンフレームケースでのテストでも風切音は全く気にならず、冷却性能、静音性とも優秀だった。
重量級ゲームも最高画質で動作する最新ミドルレンジ
GeForce RTX 50シリーズでは、GeForce RTX 40シリーズと製造プロセスが変わらないこともあり、最上位のGeForce RTX 5090を除き、いずれも前世代からCUDAコア数は微増に留まる。
これは今回検証したGeForce RTX 5060 Ti 16GBでも同様で、CUDAコア数についてはGeForce RTX 4060 Tiから約6%しか増えていない。しかし、「3DMark」系のベンチマークでは25%前後、実際のゲームでも15%前後高いパフォーマンスを発揮しており、アーキテクチャの刷新や、高速なGDDR7を採用したメリットは大きい。またDLSS 4の新機能であるマルチフレーム生成については、ミドルレンジのGeForce RTX 5060 Tiでもその効果は抜群で、対応ゲームであれば4K解像度でのゲームプレイも視野に入る。
そして今回のゲームテストの結果を確認すると、「モンスターハンターワイルズ」をはじめ、「アサシン クリード シャドウズ」「Forza MotorSport」といった最新ゲームや、「Cyberpunk 2077」の「レイトレーシング:オーバードライブ」設定では、フルHD解像度でも8GBのビデオメモリでは不足するシーンが見られた。高解像度や高フレームレートにはそれほどこだわらないが、最新ゲームを高画質な設定でプレイしたいユーザーにとって、GeForce RTX 5070より安価で、ビデオメモリの多いGeForce RTX 5060 Ti 16GBはちょうどいい選択肢になるだろう。
協力:NVIDIA Corporation