CORSAIR「FRAME 4000D」内部構造チェック
シンプルながら細部に独自の主張を盛り込んだ外観を見たところで、ここからは内部構造を解説していこう。より細部を見るべく、両サイドパネルとトップパネルを外し、極力開放状態で検証を進めて行く。
背面コネクタマザーボードに対応するマザーボードトレイ
マザーボードトレイをパッと見たとき、誰もがまず目を引かれるのは、その開口部の多さではないだろうか。ここは前身とされる4000Dシリーズと大きく異なる部分のひとつで、その当時(2020年)に存在していなかった背面コネクタマザーボードに対応するために、従来のスルーホールとは別にカットアウトが明らかに増えている。
そしてトレイ面に目を向けると、出荷時より合計9本のスタンドオフ(台座)が備え付けられており、うち2列目中央のみピン形状を採用。マザーボード固定時の位置決めができるようになっている。
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黄色い丸は通常のスタンドオフ(台座)、中央の赤色の丸はマザーボードの位置決め用にピンが装着されている
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そしてマザーボードトレイは普及価格帯PCケースとしては珍しく、着脱が可能。取り外し方法は背面より右手縦列に2本、下部に2本のネジを外し、さらにシャーシ上部のスリットに差し込まれた突起を外せば分離できる。

開口部が広くマザーボードトレイを外す必要はないはずだが、これはCORSAIRの一部のPCケースが
「完全モジュール式設計」をコンセプトとしているため。FRAME 4000Dもドレスアップ要素の強い交換用パーツへの換装や将来的なアップグレードが想定されており、
製品サイトには数多くの対応パーツが掲載されている。ただ現時点、国内市場での正規流通はなく、執筆時点では入手ができない。この点をCORSAIRに聞いたところ、取り扱いに向けて検討が進められているという。
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取り外したマザーボードトレイ。CPUクーラーメンテナンスホールを塞いでいるのは後に触れる「ドライブプレート」
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ボトムカバー(PSUシュラウド)
本体下部にはボトムカバーが装着されている。名称は
「PSUシュラウド」で、ボトム面後方の電源ユニット搭載スペースとの間仕切り的役割を果たしている。天板は通気孔仕様で、冷却ファンが増設可能。これについては後ほど解説しよう。ちなみに左側面には「クォーターメッシュ・サイドパネル」が装着されており、取り外すことで開放状態にできる。

クォーターメッシュ・サイドパネル後方にある1本のハンドスクリューと、ボールスナップにより後方で固定。前方は2箇所の引っ掛けタイプで、簡単に着脱ができるようになっている。そしてユニークなのが、出荷時に内面に装着されている
「半透明サイドインサート」(別称:サイド・パネル・ブランクアウト・インサート)の存在。メッシュ仕様により余った配線など楽屋裏が丸見えになる事を防ぐ、ブラインドの役割を果たしている。さらに乳白色のシート越しには発光パーツから漏れるイルミネーションが映り込み、柔らかい光で側面を演出。交換用のブラック色も付属し、光を遮断する事もできる。
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半透明サイドインサートを内側に装着した状態のクォーターメッシュ・サイドパネル。なお交換用のブラック色も付属している
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なお、PSUシュラウド自体も取り外しが可能。左側面の左右2本のネジで固定されており、これを外すことでPSUシュラウドを持ち上げるような格好でシャーシから引き出す。ここまで開放状態になれば、モジュラー式電源ユニットのケーブルの抜き挿しも容易に行う事ができる。
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取り外した状態のPSUシュラウド。天板にはスルーホールや冷却ファン搭載スペースが確認できる
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電源ユニット搭載スペース
PSUシュラウド内部、ボトム面後方は電源ユニットの搭載スペースに割り当てられている。側面や天井が開放状態になるため、居住性はいかにも高そうだ。とは言え、PSUシュラウド前方にはメッシュ仕様の仕切り板があり、仕様書によると電源ユニットの有効スペースは奥行き220mmまでとされる。
ちなみにCORSAIRにはサイドプラグイン電源
「RMx Shift」シリーズがある。エルミタでは以前
詳細検証をお届けしているが、製品情報によるとFRAME 4000Dにも搭載が可能。右側面からモジュラーケーブルの抜き挿しができる利便性と、ケーブルマネジメントの観点からも有利な搭載スタイルだけに、選択肢の上位候補になるだろう。