“ジャスト2スロット”クーラーがもつ余裕の冷却性能
「INNO3D GeForce RTX 5060 Ti 16GB TWIN X2」が搭載する2スロットクーラーは、高負荷環境でどのような挙動を示すのか。冷却面における実力をストレステストの「3DMark:Steel Nomad Stress Test」で検証した。
ストレステスト動作中でも、GPU・メモリ温度ともに60℃台半ばをキープ。ファン回転数も回転率60%程度の1,850rpm程度に収まっており、GPUを無理なく冷やしきれている。
さらに騒音値を計測したところ、高負荷時でも40dBA未満と優秀。ベンチマークテストやゲーム検証中においても、バラック状態ながら動作音が気になることはなかった。
「INNO3D GeForce RTX 5060 Ti 16GB TWIN X2」の消費電力
テストセッションの最後は、「INNO3D GeForce RTX 5060 Ti 16GB TWIN X2」の消費電力をその他GPUと比較して締めくくりとしよう。ストレステスト「3DMark:Steel Nomad Stress test」実行時の最高値を高負荷時、起動後10分間放置した際の最低値をアイドル時として、ワットチェッカーで計測を行った。
GeForce RTX 5060 Tiと(参考値の)GeForce RTX 4060 Tiとの差は、ほぼ公称TGPの違い(それぞれ180Wと160W)程度。しかし直接の乗り換え元として想定したGeForce RTX 3060 Tiとの間では、実に64Wもの大きな差ができた。これまでのベンチマーク検証と合わせて考慮すると、RTX 3060 Ti比におけるGeForce RTX 5060 Tiのワットパフォーマンスはかなり優秀と言える。
期待通りの性能を発揮する最新ミドルGPUの秀作カード
WQHD環境で高いフレームレートをマークし、タイトル次第では4Kプレイも可能。さらにDLSS4を組み合わせれば、かなり格上の重量級ゲームまで快適に遊べてしまうGeForce RTX 5060 Tiは、まさに最新世代のミドルGPUに相応しい性能を備えている。旧世代ミドルのGeForce RTX 3060 Tiから乗り換える対象としても、十分に魅力的な存在だ。
そして今回メインで検証を行った「INNO3D GeForce RTX 5060 Ti 16GB TWIN X2」は、“ジャスト2スロット”のスリム設計ながら冷却性能および静音性も優秀で、完成度の高さが光る。スモールフォームファクタへの組み込みも容易であり、数あるGeForce RTX 5060 Tiグラフィックスカードの中でも一際注目なモデルと言えるだろう。
しかしその一方で、悩ましいのがGeForce RTX 5060 Ti搭載カード全般の価格設定だ。搭載モデルの中でも高価格帯の製品は、上位のGeForce RTX 5070搭載モデルと重なるプライスで販売されているような状態であり、それが立ち位置を難しくしている。
ビデオメモリ16GBのミドルGPUを待っていたユーザーは多いはずだが、GeForce RTX 5060 Tiの本格的なブレイクは、ある程度価格がこなれてくるまで待つ必要があるかもしれない。
提供:株式会社エルザジャパン