ここからはCooler Master「Hyper 612 APEX」を実際にPCへと組み込み、注目の冷却性能を確認していこう。テスト用のCPUにはRyzen 9000シリーズのハイエンドモデルRyzen 9 9950Xを使用し、標準設定(PPT200W)のほか、Ryzen 9 7950Xを想定したPPT230Wの設定と、Ryzen 9 9900Xを想定したPPT162Wの設定で検証を行っている。またストレステストは「OCCT 14.0.13:CPU」と「CINEBENCH 2024:30 minutes(Test Stability)」を使用し、CPU温度は「CPU (Tctl/Tdie)」の数値、騒音値はPCから30cmの距離に騒音計を設置して計測した。
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| テスト用のCPUにはTDP170WのRyzen 9 9950Xを使用した | |
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| CPUの温度は「CPU(Tctl/Tdie)」の値を採用 |
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| Ryzen 9 9950Xの標準設定。PPTが200W、TDCが160A、EDCが225A |
いずれのテストでもPackage PowerはPPTで設定した200W前後まで上昇しているが、CPU温度は「Cinebench 2024」で76℃前後、「OCCT 14.0.13」でも78℃前後で一度も80℃に達することはなかった。CPUクロックにも大きな落ち込みはなく、「Hyper 612 APEX」を使えば、Ryzen 9 9950Xのブースト状態を常に維持し続けることができる。
アイドル時のファン回転数は900rpm前後、騒音値も33.9dBAで、ファンが回転しているのがわからないほど。また高負荷時は「Cinebench 2024」では2,100rpm前後、「OCCT 14.0.13」では瞬間的に2,400rpm弱まで上昇するシーンはあるが、それ以外はやはり2,100rpm前後で安定して推移する。ノイズレベルはいずれも46dBA前後で、風切音はしっかりと聞こえてくる。CPU温度が抑えられていることから、もう少し回転数を落として運用するのもありだろう。