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| 仮想Ryzen 9 9900XとしてPPTを162W、TDCを120A、EDCを180Aに設定した状態でも計測を行った |
続いて、ハイエンドCPUながらTDPが120Wと低めに設定されているRyzen 9 9900Xを想定し、PPTを162Wに設定した状態でも確認をしていこう。

Package Powerが145W前後で推移する「OCCT 14.0.13」のCPU温度は最高約65℃、Package Powerが160W前後まで上昇する「Cinebench 2024」でもCPU温度はおおむね67℃、最高温度も73℃で頭打ちになり、Ryzen 9 9950Xの標準設定から確実にCPU温度は低下している。

CPU温度の低下に伴い、ファン回転数も1,500~1,600rpmまで低下している。騒音値も「OCCT 14.0.13」で36.4dBA、「Cinebench 2024」でも37.5dBAで、バラック状態のテストでもほとんど風切音は聞こえなかった。「Hyper 612 APEX」とRyzen 9 9900Xの組み合わせならハイパフォーマンス、かつ静音なPCを組み上げる事ができる。
Ryzen 9 9950Xを用いた冷却テストでは、ハイエンド志向のCPUクーラーらしい優れた冷却性能を確認できた。ツインタワー型ではなく、いわゆるシングルタワー型のヒートシンクにデュアルファンを組み合わせた構成ながら、発熱の大きいハイエンドCPUに対しても十分以上の冷却能力を発揮している。 近年はAIO水冷ユニットに注目が集まりがちだが、空冷クーラーも着実に進化を重ねており、派手さこそないものの、信頼性の高い選択肢として再評価される存在になりつつある。

発売当初の税込想定売価が23,280円だった「MASTERAIR MA824 Stealth」は、のちに価格改定が入ったとはいえ、さすがに万人向けとは言い難い価格帯だった。その点、税込10,980円に抑えられたHyper 612 APEXは、アッパークラスの空冷クーラーや、エントリークラスのAIO水冷ユニットよりも手頃な価格で入手できる。 使い勝手の面でも特筆すべき難しさはなく、組み込み作業もスムーズに行う事ができた。LEDを搭載しないCPU冷却という本来の役割に徹したスタイルから、久しぶりにCooler Master“らしさ”を感じた。コストと性能のバランスに優れた空冷クーラーとして、同社の新たな看板モデルとなる可能性を秘めている。
協力:Cooler Master株式会社