ベンチマークテスト:消費電力
ゲーム関連のベンチマークが一段落したところで、消費電力をチェックしておこう。アイドル時は起動直後10分間放置した際の最低値を、高負荷時はストレステスト「3DMark:Steel Nomad Stress test」実行時の最高値を採用した。
アイドル時の消費電力はいずれも省電力機能が働き、いずれも80W前後で横並びになる。また高負荷時の消費電力は、Radeon RX 6600 XTやRadeon RX 6600からは約50W、Radeon RX 7600からは約25W上昇しているが、Radeon RX 7600 XTとはほぼ横並び。最大消費電力も316.9Wで、ASUSが推奨している550W以上の電源ユニットがあれば問題ないだろう。
オリジナルトリプルファンクーラーの冷却性能をチェック
テストセッションのラストは、ASUS「PRIME-RX9060XT-O16G」に実装されているオリジナルトリプルファンクーラーの実力を確認していこう。ストレステストには「3DMark:Steel Nomad Stress Test」を使用し、Dual BIOSスイッチで標準の「Performance mode」(P mode)と、より静音性を重視した「Quiet mode」(Q mode)の2種類に切り替えて検証を行った。
まず「P mode」の結果を確認すると、高負荷時のGPU温度は最高52℃、HotSpot温度も76℃で、トリプルファンクーラーを採用しているメリットがしっかりと発揮されている。ちなみにファン回転数は1,800rpm前後、回転率は最大51%で、バラック状態でも風切音はあまり気にならない。
続いて「Q mode」の結果を確認すると、高負荷時のGPU温度は最高60℃、HotSpot温度も85℃で、未だ冷却性能には余力が残されている。なおファン回転数は1,150rpm前後、回転率は最大37%で、高負荷時でもCPUクーラーのファンのノイズのほうがうるさく、全く風切音は気にならなかった。
WQHDでも快適なゲームプレイが可能。旧世代を圧倒する最新ミドルレンジ
Radeon RX 7600シリーズやRadeon RX 6600シリーズといった旧世代のミドルレンジGPUは主にフルHD解像度をターゲットにしてきた。一方、Radeon RX 9060 XTはWQHD解像度も視野に入れて設計されていることもあり、Radeon RX 7600 XTとの比較でも40%以上、Radeon RX 6600からは2倍以上のパフォーマンスを発揮するものもあり、旧世代のミドルレンジからのアップグレードなら確実にその違いを体感できる。
さらにビデオメモリ16GBモデルを選択すれば、最新の重量級ゲームでもメモリが不足する心配もない。また消費電力もミドルレンジらしく控えめで、電源ユニットがそのまま流用できるのも大きなメリットだろう。
そして今回検証を行った「PRIME-RX9060XT-O16G」に目を向けると、オリジナルトリプルファンクーラーの冷却性能は見た目通り優秀。さらに「Q mode」に設定すればほぼ無音に近い状態で運用できることから、静音性を重視するユーザーにもオススメできる。
唯一の懸念点がミドルレンジクラスのグラフィックスカードとしては大柄な本体サイズ。一般的なミドルタワーPCケースならおそらく問題ないが、ミニタワーPCケースやMini-ITXケースでは物理的に搭載できない可能性がある。よりコンパクトなDualシリーズには、ビデオメモリ8GBモデルしか無いため、ASUSにはDualシリーズの16GBモデルについても是非検討して欲しい。
協力:ASUS JAPAN株式会社