ストレステストでAIO水冷&グラフィックスカードの冷却性能を検証
各種ベンチマーク・ゲーム系検証が一段落したところで、「AG-AG8B85ARD7X-CF4S」の冷却性能についてもチェックしておきたい。CPUクーラーの検証には「Cinebench 2024:Minimum Test Duration:30 minutes」、グラフィックスカード用には「3DMark Steel Nomad Stress Test」の各ストレステストを使用し、その際の挙動を確認した。(室温27℃)
Ryzen 7 9800X3Dは公称値の最大クロックを上回る5.2GHz以上を安定してマークしつつ、動作温度も80℃前半に留まっていた。360mmラジエーターを備える「iCUE LINK TITAN 360 RX RGB」は、CPUをしっかり冷やし切れている。また、PCケースのトップ・リアから豊かな風量で十分な排気がなされており、ケース側の優れたエアフローが冷却に大きく貢献していることも実感できた。
「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 9070 XT GAMING 16GB GDDR6」は独自形状のファンを採用した大型の3連ファンクーラーを装備しているが、ストレステスト中の動作温度はなんと60℃台前後と、かなりの冷却性能を発揮。動作クロックもゲームクロック設定を上回る2.6GHz以上で推移しており、極めて安定していた。冷却ファンの騒音もほとんど分からないレベルであり、サイドパネルを閉じた状態ではグラフィックスカードの動作を意識するシーンはまずないだろう。
「AG-AG8B85ARD7X-CF4S」の消費電力
最後は「AG-AG8B85ARD7X-CF4S」が動作している際の消費電力をチェックし、各種検証を締めくくろう。ストレステストの「3DMark Steel Nomad Stress Test」を動作させた際を高負荷時、起動後10分間何もせず放置した際の最低値をアイドル時として、それぞれワットチェッカーで計測を行った。
Ryzen 7 9800X3DとRadeon RX 9070 XTというハイパフォーマンス構成ということもあり、アイドル時は120W近くに達するなどやや高めな印象。しかし高負荷時は約450Wと順当なもので、容量1000Wの電源ユニットを搭載する「AG-AG8B85ARD7X-CF4S」としては余裕バッチリ。変換効率が最も有利な負荷率50%に近く、効率面でも理想的な環境になっている。
高品質パーツとiCUE LINKの組み合わせでワンランク上のゲーミングPCに
全身をCORSAIR仕様で固めた「AG-AG8B85ARD7X-CF4S」は、間違いなくトップクラスのハイクオリティなパーツで構成されたゲーミングPCと言える。工作精度が高くビジュアルにも定評があり、さらに高性能なCORSAIR製品で主要パーツが占められることで、相応に完成度の高いPCとして仕上がった。
そしてそれら主要パーツがiCUE LINKにすべて対応することで、各パーツが有機的に連携。一般的なマザーボード制御では実現できない複雑なイルミネーションで連動できるほか、自在なモニタリングやチューニングが可能になっている。
CORSAIR史上最も冷える水冷ユニット、優秀なエアフロー設計とカッコよさが光る筐体など、チョイスされたのはどれもハイレベルなパーツばかり。結果的にだいぶプレミアムな価格のBTOになっているものの、その分満足度の高さもワンランク上だ。最高レベルのゲーミングマシンを所有し、毎日使えるという気持ちよさは格別だろう。
ちなみに「AG-AG8B85ARD7X-CF4S」は一部パーツに“iCUE LINK縛り”という制約がありながら、想像以上にカスタマイズの選択肢が多いことに驚かされた。さらにカスタマイズメニューにおけるモデルごとに詳細な解説が用意されているあたりは、さすが老舗パーツショップと言ったところ。リッチな構成のプレミアムなBTOということもあり、各パーツの解説をじっくり読み込みつつ、吟味を重ねてオーダーしたい。
提供:パソコンSHOPアーク