俗に言う”頑張った価格設定”の新作「Epoch」
シンプルな外観と機能的な内部構造で知られる
Fractal Design(本社:スウェーデン)。北欧の生活文化を反映させたスカンジナビアデザインをPCケースに取り込み、国内市場でも長きにわたり多くの自作派から支持を集めてきた。今回取り上げる「Epoch」シリーズは、フロントにメッシュパネルを使った、高エアフロー志向のミドルタワーPCケース。想定売価も俗に言う”頑張った設定”で、多くの自作派をターゲットにした最新モデルだ。
そして本稿では国内代理店の
株式会社アスク(本社:東京都千代田区)より、シリーズで最もベーシックなソリッドパネルモデル
「Epoch Black Solid」(型番:FD-C-EPO1A-01)を借り受け、すみずみまで検証していこう。
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Fractal Design「Epoch Black Solid」(型番:FD-C-EPO1A-01)
市場想定売価税込18,880円前後(2025年7月11日発売)
税品情報(Fractal Design / 株式会社アスク)
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「Epoch」と「North」の関係性
まず触れておきたいのが、最新モデル「Epoch」と2022年12月にリリースされた「North」との関係性だ。Northはフロントパネルに木材を使用した、自然素材採用の先駆け的なミドルタワーPCケース。この筐体をベースとしているのがEpochで、フロントフェイスを変更し、内部構造も一部異なる箇所が見受けられる。
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無機質な金属の箱に自然素材を融合させた先駆け的PCケース「North」。今なお木材使用のPCケースが市場には増え続けている
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エルミタでは「North Charcoal Black」をリリースと同じ月に検証しているが、Epochとの違いをより深める上でもまずはそちらもご一読頂ければと思う。参考までに、Northシリーズのベーシックモデル「North Charcoal Black」の市場想定売価は税込26,400円だった。なお本稿では随所にNorthを引き合いに出すことになるが、ご容赦いただきたい。
「Epoch」のバリエーション
Fractalは複数のバリエーションを一気にリリースする事で知られているが、Epochも例外ではなくカラーはブラックとホワイトの2色で、3種類のバリエーション計5機種(Epoch Solidはブラックのみ)がラインナップする。
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Epoch White TG RGB Clear Tint
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Epoch Black TG Light Tint
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さらに内訳は、今回取り上げるソリッドパネルモデル
「Epoch Solid」、左側面に3mm厚強化ガラスを採用する
「Epoch TG Light Tint」、そして強化ガラスに加えてアドレサブル Gen 2 RGB対応「Momentum RGB 120mm」ファン3基を標準装備させた
「Epoch TG RGB Light Tint」が用意され、好みのスタイルが選択できる。
- Epoch Black Solid
(型番:FD-C-EPO1A-01) 市場想定売価税込18,880円前後
- Epoch Black TG Light Tint
(型番:FD-C-EPO1A-02) 市場想定売価税込18,880円前後
- Epoch White TG Clear Tint
(型番:FD-C-EPO1A-03) 市場想定売価税込18,880円前後
- Epoch Black TG RGB Light Tint
(型番:FD-C-EPO1A-04) 市場想定売価税込22,980円前後
- Epoch White TG RGB Clear Tint
(型番:FD-C-EPO1A-05) 市場想定売価税込22,980円前後
スペック表に見るFractal Design「Epoch」
実機に触れる前に、Epochをスペック表から概要を確認しておこう。ケースタイプはミドルタワーで、対応マザーボードはATX、MicroATX、Mini-ITX。近頃では幅制限付きでE-ATX対応とするミドルタワーPCケースが多いが、Epochは内部構造上ATX規格にピッタリ収まるサイズに仕上げられている。
また主素材はスチールで、副素材にプラスチックを使用。強化ガラスを使わないベーシックグレードは、素材もシンプルだ。

パッケージサイズは、幅326mm、奥行き565mm、高さ533mmで、付属品および緩衝材を含めた総重量は9.24kgとされる。10kg以下ではあるものの、奥行きと高さは500mmを超えているだけに、店頭購入からの持ち帰りにはカートを用意したい。