右側ソリッドパネルと、左側メインパネル + アクセスパネル
検証対象モデルが「Epoch Black Solid」だけに、両側面にはソリッドパネルが採用されている。まずは右サイドパネルから見ていこう。

通気孔などの加工は一切なく、フラットなスチール製パネル一枚で構成されている。4辺には曲げ加工が施され、シャーシには後方から上下2本のハンドスクリューで固定。さらに下部は溝、上部は3つのフックで引っ掛ける仕組みにより、密閉性を高めている。
次に左側面を確認しよう。右側面と同様にソリッドパネルだが、前後2枚構成となっている。この仕様は「North」から引き継がれたもので、メインパネルは幅約330mm、高さ420mm。下部3つの突起と上部3つのフック、さらに後方から上下2本のハンドスクリューでシャーシに固定されている。
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左側面の大判メインパネルは、片側を開放するだけでも簡易的なメンテナンスに十分な作業スペースが確保できる
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そして幅の狭い左側面前方のパネルは、マニュアルによると「アクセスパネル(Access Panel)」という名称が付けられていた。幅約100mm、高さ約420mmで、下部2つの突起と上部1つのフック、さらにハンドスクリュー1本で固定されている。取り外し方は、まずハンドスクリューを完全に外した状態で後方へスライドすればいい。

Northの検証時でも感じたが、このユニークな設計は組み込み時には2枚のパネルを外した全開放状態がよいだろう。一方でアクセスパネルだけを外して作業する場面はほとんど想定できない。構造上の観点からも2枚構成にする必然性は乏しく、実用面では今ひとつ疑問の残る“ギミック”と言える。
リアパネルの各レイアウト
本体後方を確認すると、縦長のスリットが非常に多く設けられており、無加工のフラットな部分はほとんど見当たらない。
上段右手は冷却ファン(およびラジエーター)の搭載エリアで、その左手の開口部はマザーボードのバックパネルに対応する。中段左手には拡張スロット金具が積み重なるように装備され、右手は上段の冷却ファン搭載エリアの延長として縦長のスリットが配置されている。そして最下段は、最も大きな開口部である電源ユニットのマウントスペースだ。
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一見すると縦長スリットはデザイン要素が強くも映るが、実際には通気性を余すことなく確保するという、Epochならではの設計思想を感じさせる部分だ
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ボトムパネルデザイン
重量級の構成パーツを組み込む前に、本体をひっくり返してボトムパネルを確認する。まず四隅にはプラスチック製の台座(インシュレーター)がネジ留めされ、設置面には長方形の滑り止めゴムが装着されている。参考までにNorthでは、差し色のゴールドが映える円形インシュレーターを採用していた。変更の背景はコストダウンではなく、むしろコンセプトの違いによるものだろう。

背面寄りには、後方スライドで着脱可能なダストフィルターを装備。ここは電源ユニットのマウントスペースにあたり、内蔵ファンの防塵対策として機能する。さらに中央部に見える左右各4つの“仕掛け”は、ドライブベイ固定用の構造であり、その詳細は後ほど解説する。
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設置面の滑り止めのゴムは幅約20mm、長さ約44mm。台座高は実測で約18mm
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後方スライド着脱式のダストフィルター。サイズは幅約145mm、長さ約150mm
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