Fractal Design「Epoch」を使って実際に組み込んでみる
いよいよ本稿も最終セッション。例によって構成パーツを用意し、Fractal Design「Epoch」をベースとしたPCを実際に組み上げて行く。ほぼ共通筐体のNorthで組み込み経験はあるものの、正直に言えば忘れている部分も多い。ここでは初心に返り、あらためて組み込み時の注意点や気が付いた点、搭載後の周辺クリアランス等について解説していく。
マザーボードを搭載してみる
マザーボードにはIntel Z890チップを搭載するLGA 1851対応ATX規格(305x244mm)の
ASRock「Z890 Steel Legend WiFi」を用意した。
Epochのマザーボードトレイには予め8本のスタンドオフと、位置決め用のピンが装着されており、これに付属ネジ「Mounting Screw」で固定を行う。作業にあたり、左側メインパネルとアクセスパネルを外した開放状態にしているため、開口部が広くスムーズに搭載できた。

なお、マザーボード搭載後の周辺クリアランスは、トップパネルまでが約30mm、右手のフロントパネルまでが約125mmだった。これらの数値はミドルタワーPCケースの平均的なものだろう。
CPUクーラー有効スペースとメンテナンスホール
次に、CPUクーラーの有効スペースを実測した。計測は左サイドパネルを閉じた状態で高さ位置に赤いリボンをセットし、CPU上部にレーザー距離計を設置する方法を採用。結果は173mmとなり、公称値の170mmがほぼ額面通りであることを確認できた。これならハイエンド志向のサイドフロー型CPUクーラーも、幅広い選択肢から選べるだろう。

続いてマザーボードトレイ背面に回り、CPUクーラーメンテナンスホールを確認する。カットアウト部は実測で幅約160mm、高さ約140mmだった。画像でも分かるように、LGA1851のCPUクーラーマウントホールも余裕を持って露出しており、大型のバックプレートでも問題なく収められるだろう。
電源ユニットを搭載してみる
スペック表上、電源ユニット有効スペースは最大で奥行き255mmまで。ただしストレージセッションで解説したとおり、コの字型リムーブドライブトレイの設置ポジションによっては、最短140mmまでに制限される事を知った。これを踏まえた上で、電源ユニットの”適正サイズ”を見極めておきたい。
搭載テストでは奥行き150mmの80PLUS PLATINUM認証電源ユニット
「Ion+ 2 Platinum 860W」(型番:FD-P-IA2P-860)を用意した。
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リアの枠を利用した電源ユニットの固定方式。後方スライドなので、組み込み後でもモジュラー式ケーブルの抜き挿しがしやすい
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搭載手順はリアに2本のハンドスクリューで固定された枠を一旦外し、これに電源ユニットを4本のインチネジで固定。電源ユニット搭載スペースに後方からスライド挿入して枠をネジ留めすれば完了する。なおリムーブドライブトレイのポジションは(A+E)を選択。1つをPSUシュラウド天板からの吊り下げにすることでスペースを確保した。このスタイルであれば、モジュラー式ケーブル類もストレスなく配線ができる。