8,000Hz動作の高クロックメモリで大幅な性能向上を狙う
「MAG B860M MORTAR WIFI」はCPUのオーバークロックには対応しないものの、メモリは最大9,200MHzのオーバークロックモデルを使用できる。今回は8,000Hz動作に対応するTeamの「FF9D548G8000HC38EDC01」を使用し、JEDEC準拠のDDR5-5600動作とパフォーマンスの違いを比較することにした。
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JEDEC準拠のDDR5-5600設定とDDR-8000設定の性能を比較。なお「FF9D548G8000HC38EDC01」には、他にDDR5-6000のプロファイルも登録されている
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まず「AIDA64 Cache & Memory Benchmark」の帯域幅を確認すると、Readで40%の大差をつけたほか、Writeは25%向上。Copyでも30%以上の性能向上を見せており、高クロックなオーバークロックメモリの影響はかなり大きい。さらにレイテンシは約18%と目に見えて低下していることから、実際に運用する際の恩恵は無視できないはずだ。
メモリの影響が大きい「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー」ベンチマーク(最高品質設定)の結果も見ていこう。WQHD以上の高解像度ではグラフィックスカードがボトルネックになってしまい大きな差はつかないものの、フルHDでは約40%と圧倒的な性能差を見せつけてくれた。タイトルによって多少の違いはあるのしろ、ゲームにおいても高クロック・低レイテンシのメモリを使用するメリットは大いにある。
標準装備するツールレス脱着式M.2ヒートシンクはどこまで冷やせるか
続いては、最後に「MAG B860M MORTAR WIFI」が標準装備するM.2 SSD用ヒートシンク「EZ M.2 Shield Frozr II」の冷却性能をチェックしておきたい。冷却がシビアなPCI Express 5.0対応SSDをどこまで冷却できるのか、ベンチマークテストの「CrystalDiskMark 8.0.4」で検証してみよう。
なお検証にあたっては、Team「T-FORCE Z540」シリーズの2TBモデル「TM8FF1002T0C129」を使用した。
【関連記事】最高12,400MB/sのPCIe 5.0 NVMe M.2 SSD、Team「T-FORCE CARDEA Z540」発売(2023.12.01 10:25 更新)
「TM8FF1002T0C129」の公称スペックは、シーケンシャル読込最大12,400MB/s、書込最大11,800MB/s、ランダム読込140万IOPS、書込140万IOPSというもの。ベンチマーク結果を見れば、ほぼ公称値通りの速度が出ており、十分に性能を発揮できているように見える。
しかしテストを3回繰り返した際の推移を見ていくと、1回目のシーケンシャル書込から温度が80℃を超えてサーマルスロットリングが発生。その後一時的に転送速度が回復するものの、80℃にタッチする度にアクセス速度が落ち込んでしまうことが分かった。
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アイドル時のサーモグラフィ
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高負荷時のサーモグラフィ
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サーモグラフィ結果を見ても、アイドル時は40℃台だったヒートシンクの表面温度は、ベンチマーク実行中には75℃に達している。今回は無風の環境で検証を行っているが、温度を抑えてサーマルスロットリングの発生を防ぐには、ある程度の風が必要だ。標準ヒートシンクでPCI Express 5.0対応SSDを使用する際は、必ずPCケースのフロントファンを搭載した状態で運用したい。
高機能で安定したゲーミングマシンが組めるミドル級マザーボード
まさにクラスを超えたスペックや搭載機能、という表現がしっくりくる「MAG B860M MORTAR WIFI」。Core Ultra 9も安定して動かせる電源周りや放熱機構を備えつつ、高クロックなノンバイナリメモリもなんなく運用できる。さらに高速なインターフェイスやネットワークも完備と、低価格モデルやエントリークラスのマザーボードとは一味違う装備の数々だ。
シンプルでスリムなM.2ヒートシンクの冷却性能こそやや物足りなさがあるものの、それも運用次第でカバーできるレベル。ミドルローの製品とは思えないモリモリな機能、大きく値下がりした現在はそれが十分に実感できる位置付けに収まっている。
質実剛健さが漂う、ライティング非搭載の引き締まったビジュアルも好印象。ツールレスの脱着機構などイマドキの便利機能も複数備え、組みやすく安定したマザーボードを求める向きにオススメしたい1枚だ。
提供:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社