CPUクーラーにはオールインワン型水冷ユニット、
ASUS「Prime LC 360 ARGB WHT」を用意した。ポンプ一体型ウォータブロックの上部にはインフィニティミラーを搭載し、360mmサイズラジエーターには120mm ARGBファンが3基搭載されている。冷却性能とライティングによるドレスアップ性を両立した、イマドキのAIO水冷クーラーだ。

360mmサイズラジエーターという呼び方はあくまで俗称で、実際のサイズは長さ397mm(幅120mm、厚さ27mm)になる。Prime AP202 TG ARGBでこの長尺ラジエーターを搭載できるのはトップパネルのみで、まずは着脱式カバーを外し、シャーシ天板に用意されたスリット式ネジ穴にラジエーターを固定する。

リアファンとのクリアランスを考慮すると、チューブはフロント側へに向けるレイアウトが適しているだろう。続いてポンプ一体型のウォータブロックを固定し、各種ケーブルを接続。煩雑になりがちな配線も、スルーホールや面ファスナーを活用することで整理ができている。
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| トップパネルは取り外せないが、曲面強化ガラス採用によりフロントと左サイドが開放状態になるため、AIO水冷の搭載作業はスムーズに行うことができた |
「スロットベント」の上には、ボトムファン増設用ブラケットが用意され、120mmファンが3基増設できる。外気を常時取り入れるエアフローレイアウトは魅力で、スロットベントの存在を最大限に発揮すべく、ここを空の状態にしておく手はない。そこで今回はホワイト色のリバースファン、
ASUS「Prime MR120 ARGB Reverse Fan」を用意した。
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| 回転数1,600rpm±10%、風量58CFM、静圧1.38mmH2O、騒音値23dABで、軸受けはスリーブベアリングが採用される |
搭載方法はシンプル。まず既存のブラケットを取り外し、そこへMR120mmを付属のテーパーネジで固定する。あとは各ファンから伸びる電源ケーブルとARGBケーブルを順次接続していく流れだ。 とはいえ、作業の山場はケーブルの取り回しだろう。合計6本のケーブルをマザーボードトレイ下部のスルーホールから背面側へ引き回し、そこから標準搭載ファンとの連結や、マザーボードへの接続作業が待っている。出荷時点ですでに多くのケーブルが行き交う背面だけに、ここは腰を据えて、時間をかけて丁寧に配線したい。
グラフィックスカードには
ASUS「PRIME RADEON RX 9070 XT White Edition」(型番:PRIME-RX9070XT-O16G-WHITE)を選んだ。3連ファン(Axial-Tech Fan)を搭載する2.5スロット厚占有デザインで、外形寸法は幅130mm、長さ312mm、厚さ50mm。これを長さ420mmまでのグラフィックスカード有効スペースに収めていく。

搭載手順は拡張スロット金具を2段分取り外し、ここにグラフィックスカードを装着。金具を固定していたネジを使い、しっかりとネジ留めを行う。ちなみにこのモデルには、8pin補助電源コネクタが3つあるため、「ASUS Prime 850W Gold」電源ユニット付属のPCI Express 6+2pin補助電源ケーブルをフルに活用。マザーボード右側縦列にあるスルーホールを経由して配線および接続を行った。
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| グラフィックスカードとボトムファンの間は約25mm。さすがにこの間にPCI Express 6+2pin補助電源ケーブルを配線することはできなかった |
搭載後のクリアランスは、フロントの曲面強化ガラスまでは実測で約90mm強を残している。そもそもカード長が有効スペースの公称値以下だけに、当然ながら余裕をもってマウントできる。ちなみにサイドファンと物理的干渉を起こす心配もない。
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| 「スロットベント」から外気を取り込み、増設した3基の「MR120 REVERSE ARGB FAN White」でグラフィックスカードへの直接冷却を行うスタイルは、これにて完成。内部容積が限られたミニタワーながら、9基の冷却ファンにより高エアフロー環境が構築できている |
長かった今年の夏に販売がスタートし、冬を迎える11月に検証を行った「Prime AP202 TG ARGB」。順調にセールスを伸ばしているというだけあって、総じて良く出来たPCケースだと感じた。

なかでもトピックはシームレスな曲面強化ガラスと、スロットベントの2点に尽きる。前者は構成パーツのドレスアップ効果を最大限に引き出し、後者は最適化されたエアフローレイアウトにより、内部容積を意識させない冷却性能を実現している。いずれも共通しているのは“難しい理屈抜きで良さが伝わる”わかりやすさだ。ここは大いに[○]な部分として評価したい。

一方で[×]な部分を探すと、標準装備の「Prime MR120 ARGB」ファンのケーブル処理だ。PCケース本体の性能とは別ではあるものの、1つのファンから2本のケーブルが伸びるオーソドックスなスタイルにより、出荷時より裏配線スペースは6本ケーブルが場所を占有している。ここに最大6基の増設ファンが加わり、さらにハブも付属しないとなれば、完成後の“楽屋裏”は表側とは対照的な賑やかさになる。見えない部分とはいえ、もう少しスマートにまとめられる余地はあるように感じた。

とはいえ、最近は“至れり尽くせり”を売りにしたPCケースも多く、そこを基準に比較すると酷な面もあるだろう。ターゲットや価格帯による棲み分けもあるし、そもそも自作PCとは、失敗や試行錯誤を積み重ねながら完成に近づけていく楽しみが本質であり、そんな当たり前のことを、少し忘れがちになっているのかもしれない。
提供:ASUS JAPAN株式会社