SilverStone「FLP01」内部構造チェック
ここからは横置きPCケース、FLP01の内部構造を詳しく解説していく。冒頭で触れた通り、筐体自体は2014年に発売された「GD09」であり、言わば10年前の設計。主たる製品コンセプトは
レトロデザインHTPCケースだが、"内部構造までレトロである必要はない”と多くの自作派が思うだろう。「40年前のデザイン」と「10年前の設計」というギャップはどのように折り合いが付けられているのだろうか。
筐体全体の剛性を高める「構造体」のクロスバー
トップパネルを開放状態にすると、上部に装着されたスチール製のクロスバーが目に付く。ほぼ中央部分に固定されたクロスバーは、前方で上部、後方でリアパネルにそれぞれネジ留めされており、組み込み作業時は一旦取り外すことになる。

FLP01のシャーシは比較的捻れに弱い印象があり、特に構成パーツの組み込み前の状態では顕著に感じられる。これを補うのがクロスバーで、筐体を構成する重要な構造体の役割を果たしている。
マザーボードトレイ
FLP01の対応マザーボードは、SSI-CEB、ATX、MicroATX、Mini-ITX。これを念頭にマザーボードトレイをチェックしてみよう。出荷時は赤丸で囲まれた箇所にスタンドオフ(台座)が装着されており、追加が必要な箇所には付属のスタンドオフを増設するスタイル。ネジ穴はバーリング加工が施され、マザーボードトレイ面からはかさ上げされている。
電源ユニット搭載スペース
電源ユニットはATX規格に対応。有効スペースは奥行き170mmまで。搭載箇所は正面左手の後方で、左側面には内蔵冷却ファン用のダストフィルター付き通気孔が設けられている。

搭載スタイルは縦置きで、リアパネル側から4本のインチネジでネジ留めするオーソドックスなスタイル。一般的なミドルタワーPCケースとは異なり、トップパネルが開放状態になることから、モジュラー式/非モジュラー式を問わず、配線は容易に行うことができそうだ。
冷却ファンレイアウト(1):右側面
- 冷却ファン:120mm x2基(120mm x1基標準装備)
ミドルタワーPCケースに比べ、横置きPCケースは冷却性能にあまり期待ができない。FLP01も例外ではなく、スペック表を見る限り決して得意な方ではない。
順に確認していくと、まず右側面には120mmファン搭載スペースが2つあり、うち1つは120mmファン(9枚ブレード/25mm厚/リブ無し)が標準装備されている。搭載方向から外気を取り入れる吸気ファンの立ち位置で、追加でもう1基増設ができる。

そして恐らく熱心な自作派たち共通の関心事は、オールインワン型水冷ユニットの搭載可否だろう。120mmファンが2基並んで搭載できるだけに、一見240mmサイズラジエーターがマウントできそうだ。しかし実際にはマザーボードと120mm冷却ファンは非常に接近した位置関係になるため、残念ながら現実的ではない。
|
|
標準搭載ファンのラベルには「CC12025M12S」(DC12V/0.11A)と記載されており、2024年3月に検証した「SUGO 17」でも採用されている
|