40年前の名機をオマージュ。SilverStone「FLP01」の誕生
エルミタでは複数回にわたり「FLP01」を取り上げているが、これまでの経緯を簡単に振り返っておこう。事の発端は2023年に開催されたCOMPUTERのSilverStoneブース。その当時、本気で製品化が予定されていなかったプロトタイプは、ブースの本命である主役たちを押しのけ、想定外とも言える大きな反響を得たことはご存じの通りだ。
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ブースを取材したエルミタ取材班も、新製品そっちのけで記事を配信。多くのアクセスを集めた
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そもそもX(当時Twitter)の「エイプリルフール用のパロディ」として用意されたモデルであることは、広く知られている。改めてその辺りをSilverStoneに確認してみると、日本のSTAFFが中古のNEC「PC-9801」シリーズを入手して台湾本社へ発送。これを開発チームが改めて設計・デザインし、製品版を作り上げたのだという。予想を超えた"大注目作”となった「FLP01」は約40年前のデザインの再現であり、パソコンの原点に返った、まさに「オマージュ」という言葉がピッタリな1台に仕上げられた。実に柔軟な対応はSilverStoneらしいが、そもそも同社は横置きPCケースを得意としており、HTPC(ホームシアターPC)ブームを牽引したメーカーである事を忘れてはいけない。
そして公開から約2年を経て2月28日より国内販売がスタート。日本国内市場向けのファーストロット(200台弱)もほぼ予約で完売。2次ロットは3月下旬頃の入荷予定とのことで、初動が遅れた読者がいれば、早めにオーダーを入れておくことをオススメしたい。ちなみにこの人気はNEC「PC-9801」発祥の地である日本市場に留まらず、北米および欧州市場でも反響が大きく、各国で在庫の取り合い状態にあるという。
スペック表に見るSilverStone「FLP01」
実機に触れる前に、スペック表からFLP01の概要を把握しておこう。主素材はスチールで、副素材にプラスチックを使用。対応マザーボードはSSI-CEB、ATX、MicroATX、Mini-ITXとされる。ちなみにSSI-CEBを表記するあたりはサーバー関連の製品を扱うSilverStoneらしいところ。実際に搭載する人はまずいないことは承知しているはずだが、さしずめ「搭載できるスペースがあるならスペック表に載せておこう」といったところだろうか。

外形寸法は幅440mm、奥行き362mm、高さ170mmで、重量は4.46kg。スチール製の横置きPCケースだけに、ATX規格対応でもこのあたりの重量だろう。なお外装パッケージサイズは実測で、幅約535mm、奥行き約455mm、高さ約265mmで、付属品および緩衝材を含めた総重量は5.65kgとされる。輸送時にパッケージを縦にしたところで問題はないはずだが、そこそこ大柄だけに店頭からの持ち帰りにはカートを準備したい。