SilverStone「FLP01」を使って実際に組み込んでみる
最終セッションでは構成パーツを用意し、実際に組み込み作業を行ってみる。外観が最大のセールスポイントである事に違いはないが、HTPCケースを一時代牽引したメーカーの設計となれば、見映えだけで高評価というワケにはいかない。各パーツを取付けながら、マニュアルに記載がないこと、作業をしながら気が付いたことなどを詳しく解説していく。
マザーボードとCPUクーラーを搭載してみる
マニュアルには搭載手順が記されている。おおよそ、それに準拠した流れで作業を進めて行くが、まずはマザーボードを搭載してみよう。搭載テストにはATX規格のSocket AM5マザーボード
ASUS「ROG STRIX X870-F GAMING WIFI」を使用した。
通常ならマザーボードトレイにネジ留めを行うところだが、その前にCPUクーラーを搭載しておく必要がある。FLP01にはCPUクーラーメンテナンスホールがないため、CPUソケット背面からバックプレート等を使って固定する製品の場合、事前に取り付けておく必要がある。
ちなみにCPUクーラーには
Noctua「NH-L9a-AM5 chromax.black」をチョイス。全高37mmの超ロープロファイル設計で、冷却ファンには92mm「NF-A9x14 HS-PWM chromax.black」が搭載されている。マザーボードには背面からの"ネジ留め式”が採用されているため、取付け作業は済ませておこう。

マザーボードの搭載方法は、予め装着されている6本のスタンドオフに3本を加えて台座が完成。付属のインチネジ「Mounting for 3.5″ HDD,motherboard,PSU」で合計9本にてネジ留めを行う。なお搭載後の周辺クリアランスを計測すると、僅かながら右側面までは約35mm、左側面までは約95mm、前面までは約72mmの空きスペースが残されていた。
CPUクーラー有効スペースとODDブラケットとの関係
CPUクーラーの有効スペースは公称88mmとされ、とかくデザインを優先する横置きHTPCケースであることを再認識させられる。高さ88mmの空間に収めるには、ほぼロープロファイル仕様のトップフロー型しか選択肢がない。
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ODDブラケットが接近しているため5.25インチ光学ドライブを搭載した場合、CPUソケット上空のスペースは88mmしか確保できない
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なおマニュアルによると、ODDブラケットに5.25インチ光学ドライブを固定しなければ88mmの高さ制限は127mmに拡大し、さらに主要な構造体であるクロスバーも取り外すと138mmが有効スペースとして利用できる。限られた容積の取り合いになるだけに、このようなしがらみは付きものと理解するしかない。
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最大138mmまでを確保した場合、ヒートシンクはマザーボード末端から8mmまではみ出しが可能。周辺の数値は事前に開示されてはいるものの、多くの人はピンとこないのではないだろうか
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全高37mmのNoctua「NH-L9a-AM5 chromax.black」を搭載すると、サイドパネルまでは実測で約105mmほどの空間が残されている事が分かった
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真上から見ると、NH-L9a-AM5 chromax.blackが搭載する92mmファンは、ODDブラケットに若干覆い被さる格好。クーラーとODDブラケットまでのすき間は実測で23mmしかなく、ソケット上空がいかにタイトであるのかが分かるだろう
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