MSI「MPG VELOX 300R AIRFLOW PZ」内部構造チェック
次にMPG VELOX 300R AIRFLOW PZの内部構造をくまなく見ていこう。チェックにあたり、両サイドパネルを外して開放状態にした。また必要であればトップパネル、フロントパネル、後に触れるPSUシュラウドまで取り外していく。

多くのパネルやパーツが取り外せる構造について、MSIはあまり目立ったアピールをしていない。しかし、同社はマザーボードやグラフィックスカードといった基幹パーツをはじめ、電源ユニットや冷却機器に至るまで、PCを構成する多くのパーツを手がけているメーカーであり、組み込みやすさには強いこだわりが感じられる。
マザーボードトレイ
まずは開放状態の左側面から、マザーボードトレイの様子をチェックした。E-ATX(305x278mm)からMini-ITXまで広く対応するだけに、トレイ周辺に邪魔な構造物はなく、物理的干渉の心配がないだけに工具も扱い易そうだ。トレイ表面に注目すると、出荷時よりスタンドオフ(台座)が装着されている。3段/3列に合計9本がネジ留めされ、マザーボード固定時の位置決め用として、中央の1本は段差付きスタンドオフが使われていた。
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出荷時よりスタンドオフが装着済み。要所のカットアウトは背面コネクタマザーボード用の開口部になる
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PSUシュラウド(ボトムカバー)
マザーボードトレイの下部には、PSUシュラウド(ボトムカバー)が装備されている。天板は通気孔仕様で、冷却ファンの増設にも対応。スチール製シュラウドの中は電源ユニットの収納スペースで、接続した複数のケーブル類をまとめておくこともできる。それら煩雑な状態を隠す仕掛けは、魅せるPC構築には必須なものだろう。ちなみに内部高は実測で約105mmだった。

また、冒頭でも触れた組み込み易さへのこだわりとして、PSUシュラウドは取り外しができる。
「クイックスナップ&ロック式PSUカバー」とも呼ばれるPSUシュラウドは、底面と右奥計2箇所をハンドスクリューで固定。左開放側の末端にあるMSIロゴ入りラバーつまみ、引く抜く格好で完全に取り外しができる。

PSUシュラウドが取り外せるPCケースは、意外にも少ない。多くはコの字型のパーツをそのままリベット留めで仕上げている。開放状態にできる利便性は、自作経験がある人であれば誰もが想像できるだろう。
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PSUシュラウドを取り外した状態。電源ユニット収納スペースが露わになり、やろうと思えば"PSUシュラウド無し”状態でも運用できる
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電源ユニット搭載スペース
取り外し可能なPSUシュラウドの内部が、電源ユニット搭載スペースだ。製品情報によると、電源ユニットの有効スペースは奥行き約270mmまで。実際にPSUシュラウドまでの距離を計測すると、ほぼ公称値通りだった。

設置面は正方形のパンチング加工が施され、電源ユニット内蔵ファンの吸気をスムーズに行うことができる。またダストフィルターも装備されているため、電源ユニット内部に埃を吸い込む心配もない。