MSI「MPG VELOX 300R AIRFLOW PZ」で実際にPCを組み立てる
最終セッションでは、MPG VELOX 300R AIRFLOW PZをベースに、構成パーツを実際に組み込んでみよう。ここまでの検証を振り返ると、いずれもツールフリーにより、両サイドパネルおよびトップパネル、フロントパネル、さらにPSUシュラウドまで取り外しができる。

組み込みをスムーズに進めるためには、作業スペースをできるだけ確保しておきたい。事前準備としてこれらのパネル類はすべて取り外し、作業が完了するまでパッケージ等に保管しておこう。
マザーボードを搭載してみる
まずはマザーボードを搭載してみよう。搭載テストには
MSI「MAG X870E TOMAHAWK WIFI」を準備した。型番からも分かるように、AMD X870Eチップを搭載したゲーミングマザーボードで、CPUにはAMD Ryzen 9950Xを使用している。
|
|
周辺クリアランスをチェックするため、PSUシュラウドを装着。ATX規格マザーボードの居住性は良好
|
固定方法はマザーボードトレイに予め装着されているスタンドオフ9本に、付属ネジ「Screw M3 5mm」を使用。これら全てをネジ留めしたところで周辺クリアランスを計測すると、基板上辺からトップパネルまでは約60mm、フロントパネルまでは約170mmだった。画像からも分かるように、マザーボード周辺で構成パーツが装着されるスペースは十分確保できていた。
CPUクーラー有効スペースとメンテナンスホール
次に実測により、CPUクーラーの有効スペースとCPUクーラーメンテナンスホールをチェックしてみよう。
まずはCPUクーラーの有効スペースを確認すべく、強化ガラス製左サイドパネルの内側を示す赤いリボンを装着。CPU上にレーザー距離計を置いた状態でスペースを計測した。結果として、メーカー公表値である165mmを上回る173mmを表示。CPUクーラーの選定はあくまで公表値内に収めることを推奨するが、実際には多少の余裕をもって搭載できることが確認できた。

次にマザーボードトレイ背面に回り、CPUクーラーメンテナンスホールを計測。結果は実測で幅約175mm、高さは約130mmだった。MAG X870E TOMAHAWK WIFI備え付けのSocket AM5のバックプレートも当然露出できている。高さはやや短いものの、Intel系マザーボードのCPUクーラーマウントホールも問題なく露出できるだろう。
電源ユニットを搭載してみる
電源ユニットの有効スペースは公称で奥行きは200mmまで。ここに奥行き150mmの
MSI「MPG A1000GS PCIE5」を用意し、搭載を試みた。
なんといってもPSUシュラウドを取り外せる点は大きなメリットだ。これにより、電源ユニット本体を右側面の狭い開口部から挿入する必要がなく、左側面を全開放した状態で仮置きし、背面から4本のインチネジで固定できる。モジュラー式電源ユニットは必要なケーブルを都度接続すればよく、コネクタの視認性も申し分ない。
|
|
MPG A1000GS PCIE5は、デュアルネイティブ12V-2x6コネクタを装備する、80PLUS GOLD認証のATX 3.1およびPCI Express 5.1対応品。国内市場では2025年2月より販売がスタートしている
|
搭載後におけるPSUシュラウド内部のクリアランスは実測で約115mmとなり、ケーブルおよびコネクタにストレスを与えることなく設置ができる。ともあれ、"PSUシュラウドが後付けできる”メリットは想像通り大きく、全てのPCケースで採用すべきだ。