ストレステストで気になる冷却性能&静音性を確かめる
各種ベンチマークやゲーム系検証などで優れたパフォーマンスを発揮した「Silent-Master NEO B850A」だが、シリーズ本来のコンセプトである“究極の静音性”がどの程度実現されているかは大いに気になるところ。ストレステストを実行し、その際のCPUおよびGPUの挙動をチェックしてみよう。
なお、CPUの検証には「Cinebench 2024:Minimum Test Duration:30 minutes」、グラフィックスカード用には「3DMark Steel Nomad Stress Test」を使用している。
CPUのRyzen 7 9800X3Dは最大クロックが公称値をやや上回る5,215MHzに達していたほか、平均でも5,137MHzと驚くほど高いクロックを安定して維持していた。Noctuaのツインタワー型空冷クーラー「NH-D15 G2」によりCPU温度も最大81.4℃に抑えられており、サーマルスロットリングを発生させずにRyzen 7 9800X3Dをしっかり冷やし切れている。大型ラジエーター搭載水冷に匹敵する優れた冷却性能だ。
続いてGeForce RTX 5070 Ti搭載の「Silent Master Graphics RTX5070Ti 16GB」は、動作クロックが公称値(2,450MHz)を大きく上回る2,865MHzまでブースト。テスト中盤以降も2,300~2,400MHz台を安定してキープできていた。GPU温度は最大89℃、平均でも84℃とやや高めだが、温度を許容範囲内に収めつつ可能な限り騒音を抑えるという、静音性重視の設定になっているようだ。
実際に騒音値をチェックしたところ、アイドル時に34.5dB、高負荷時でもわずか37.5dBと、極めて静かに動作していた。ハイスペックなパーツを多く搭載しているにも関わらず、負荷をかけても騒音上昇をたった3dB程度に収めている点はさすが。間近で耳をそばだてても動作音はしっかり遮断されている印象で、謳い文句通りの“究極の静音性”が実感できた。
「Silent-Master NEO B850A」の消費電力
最後は「Silent-Master NEO B850A」が動作している際の消費電力をチェックし、各種検証を締めくくろう。ストレステストの「3DMark Steel Nomad Stress Test」を動作させた際を高負荷時、起動後10分間何もせず放置した際の最低値をアイドル時として、それぞれワットチェッカーで計測を行った。
アイドル時が67Wと控えめなのは当然として、高負荷時でも500Wを下回る余裕の動作。今回検証を行った評価機は電源ユニットが850Wに変更されているが、十分すぎるほどのマージンを残している。最大のシステム負荷率は理想に近い55%であり、変換効率の面でも有利な環境で動作していたようだ。
進化を続ける超静音PC
静音性を突き詰めようとすれば、ある程度パフォーマンスに妥協しなくてはならないという考え方が一般的だろう。ハイエンドなパーツを詰め込めば相応の冷却が必要になり、いきおい多数のファンが搭載され、それにつれて動作音も大きくなってしまう。そのため、ほどほどの冷却で十分なミドル構成をベースに、可能な限り音を発生させない(あるいは漏らさない)パーツをチョイス、パフォーマンスとの妥協点を探ることになる。
その常識を覆す形で、ハイパフォーマンスと最高レベルの静音性の両方を実現してくれるのが「Silent-Master NEO」シリーズだ。CPUクーラーからPCケース、ケースファンに至る細部まで静音にこだわりつつ、独自の静音グラフィックスカードまで作り上げて完成させたマシン。絶妙なパーツチョイスだけでなく、第三者機関の無響室を利用するなど徹底した検証による、単なる看板に留まらない確かな静音性が魅力だ。
さらにNoctua最新の大型クーラーや同じく最新世代にアップグレードされた「Silent Master Graphics」により、性能を制限することなくこれまで以上のハイパフォーマンス構成が動かせるようになった。快適な4Kゲーミングも可能なスペックと、アイドル動作と変わらない極まった静音性を手に入れたい向きに、これ以上なく正解に近い解答と言える。
提供:株式会社サイコム